1か月ほど前、我が家の愛犬ミニチュアダックスの茶太郎の体調が急に悪くなり、急性腎不全に。一時はもうダメかと覚悟しましたが、なんとか頑張って復活しました!
腎臓の機能が衰えてきたワンちゃんへのケア、食事のとりかた、水分をとる方法などについて、この1カ月半の闘病記として記しておきたいと思います!
愛犬、茶太郎は3年前に軽度の慢性腎臓病と診断される
我が家の18歳になる愛犬、茶太郎は、生まれたときからお世話になっている動物病院の血液検査で、3年前に「腎臓の値が少しだけ悪い」ことがわかりました。
その時から現在まで、念のために食べ物のドッグフードを「腎臓サポートタイプ」にしていました。
それからは、定期的に3カ月に1回ほど血液検査を受けて、腎臓の値に問題がないかをチェック。
ドッグフードを腎臓サポート用に変えてからは、これまで血液検査の数値が、ずっと安定して正常値だったので、もうすっかり安心していたんです。
腎不全の症状:茶太郎が、突然けいれんをおこす
先月、6月11日に突然、茶太郎がけいれんをおこして、口から泡をふき、苦しそうにひーひーと泣き続ける事態となりました。
すぐにいつもの病院へ電話をいれると、「あわてずに、5分たってもけいれんがおさまらないようだったら、病院へすぐ来てください。もし5分以内におさまれば、1時間後にきてください」とのこと。
けいれんが起こった場合は、「あわてないこと」が重要です!
幸い、けいれんは1分ほどでおさまったのですが、すぐにそのまま病院へ連れて行きました。
病院について血液検査をおこなったところ、「BUN(尿素窒素)」という値が「51」と、高い結果。正常値は、7~27の範囲です。
BUN(尿素窒素)とは、血液のなかの尿素に含まれる窒素成分のことです。
通常は、肉などに多く含まれるタンパク質が分解されるとアンモニアが作られますが、アンモニアのままだと身体に悪いため、肝臓でまず尿素に変えられて、さらに腎臓でろ過されて尿として排出されます。
ところが、老犬などで腎臓の働きが低下すると、腎臓でろ過しきれない窒素成分が、血液のなかに残ってしまいます。
つまり、BUN(尿素窒素)の数値が高くなるほど、腎臓の機能が低下していることを表しているのです。
茶太郎の突然のけいれんの原因も、「BUNの数値が高くなっていることから、腎臓の機能か急激に低下してしまいショック症状をおこしてしまった」と考えられる、とのことでした。
その日の処置としては、2週間効果があるという、けいれんをおさえる注射をうってもらい、血液の流れを良くする薬が処方されました。
また、先生からは「水をよく飲ませるように」と言われ、次回2週間後の6月25日の診察の予約をして、その日は茶太郎といっしょに家に戻りました。
茶太郎がドッグフードを食べなくなり、ついつい鶏のささみを・・・そして急性腎不全に
その後、けいれんはなく、3日間はいつものようにドッグフードを食べ、水も自分でいつものように飲んでいたのですが、6月15日からまったくドッグフードを食べなくなってしまいました。
ワンちゃんは歳をとると食べることが大事。食べれなくなると体重が激減して、あっというまに弱ってしまう、ということをよく耳にしていました。
「食べさせなくては!」という気持ちが先立ち、ここで大きな間違った行動を起こしてしまいました。
ついつい茶太郎の大好物だった「鶏のささみ」をスーパーで買い、ゆでてほぐして、ドッグフードにかけて食べさせてしまったのです。ゆで汁も一緒にかけて食べさせちゃいました…。
茶太郎は喜んで、ささみ入りドッグフードを完食。薬も一緒に飲んだので、「とりあえずご飯を食べた」ということで、すっかり安心していました。
ところが、1週間ほどささみ入りドッグフードをあげ続けた6月21日、ささみ入りドッグフードも食べなくなり、鶏ささみだけを食べさせたところ、食べたのですがすぐに吐いてしまったのです。
6月22日、23日の2日間はまったく何もたべることができませんでした。さらに23日の深夜に下痢をおこして苦しそうな状態に。
腎臓が悪くなると尿毒症になり、出てくる症状のひとつにアンモニア臭があります。茶太郎も息やからだ全体がすごいアンモニアの臭いになってきました。
24日の朝いちばんに病院へ電話すると、その日は休診であったにもかかわらず、すぐに病院にきてください、と言ってくださり、病院にむかいました。
茶太郎のBUN(尿素窒素)値が急性腎不全で190まではねあがり、点滴を打つ・・・
血液検査の結果、BUN(尿素窒素)の数値が、190まで跳ね上がっていました。。。正常値は、7~27の範囲です。
BUNの値だけでなく、腎臓にとって重要な検査項目が、他に2つあります。この2つの数値も、異常値の範囲に入ってしまっていました。
急性腎不全です。さらに尿毒症になっているとも言われました。
*写真は測定不能の >130 という表記になっています
クレアチニン:4.4(正常値:0.5~1.8)
無機リン:12.2(正常値:2.5~6.8)
点滴を360cc打ってくれて、先ずは水分補給してもらい、同時にビタミンも点滴しました。
吐き止めと下痢止めの薬も、注射してもらいました。
先生からは、
と言われました。
入院も考えましたが、もう歳なので、最後まで自分たちでケアしてあげたかったし、環境が変わるようなストレスは与えたくなかったので、入院ではなく、通院で点滴してもらうことにしました。
6月24、25、26の3日間、通院して点滴を打ってもらい、3日連続で血液検査をしました。
それから2週間効果のある「けいれんをおさえる薬」も、念のため再度注射していただきました。
この間、まったく食べていません。水も飲みません。このときには、もう茶太郎はダメかと覚悟をききめないと、と思っていました。
検査項目 | 正常値 | 6月24日 | 6月25日 | 6月26日 |
BUN(尿素窒素)mg/dL | 7~27 | 190 | 98 | 47 |
クレアチニン mg/dL | 0.5~1.8 | 4.4 | 2.4 | 1.9 |
無機リン mg/dL | 2.5~6.8 | 12.2 | 4.5 | 3.7 |
でも、点滴のおかげで、3日目にはだいぶ数値が正常値範囲に近づいてきました。
急性腎不全で食べれないときに本当に助けられた「流動食」!
通院4日目、6月27日の通院は、点滴だけを打っていただき、血液検査は、もう3日連続でおこなっていたので、からだに負担をかけすぎないよう、この日は血液検査をおこないませんでした。
代わりにこの日、その後、茶太郎の回復の大きな手助けとなった「流動食」について、先生からはじめて教えていただいたのです。
こちらが、ロイヤルカナンの「流動食」です。
流動食は、自分でかんだり飲む力がおとろえてきたような、歳とったワンちゃんだけに使うものとおもっていました。
でも病気中のワンちゃんや、水分が必要なワンちゃんにも、流動食をうまく利用することで、水分補給をサポートしてあげることができるのです。
一日に必要な水分は、流動食として与えてもOK。
流動食を100cc飲むことができれば、水分も100ccとったということにして良い、と先生に教えていただきました。
このロイヤルカナン社の腎臓サポート流動食は、病院で1本1000円でした。ネットでも購入することができます。
この流動食のすばらしいところは、何といっても「容器」にあります。ふたに2つの穴が開いていて、シリンジ(プラスティック製の注射器)を差し込むことができるようになっていて、中身の流動食を注射器で吸い込むことができます。
シリンジには目盛りがついているので、何ccの流動食を与えたかを簡単に確認することができます。
あとは、ワンちゃんの口を開けて注射器でそのまま流動食をあげたり、手のひらやお皿に注射器から出してなめさせたりして、水分をあげることができます。
腎臓の悪いワンちゃんにとって大切な2つのこと
動物病院の先生に教えていただいた、腎臓が悪いワンちゃんにとって、人間がケアしなくてはいけない大切なことが2つあります。
2)肉などのタンパク質をとりすぎないようにすること。
茶太郎の場合、体重が4.5kgなので、一日に最低必要な水分は、297cc(=4.5kgX66cc)になります。
思えば3年前にはじめて「腎臓の値が良くない」、と先生から言われた直後は、かなり気をつけていました。ところが、元気な毎日を過ごしているうちに、ついついこの大切な2点を忘れてしまっていました。
正確には、忘れるというより、「このぐらいは大丈夫だろう」という思い込みです。
大好物の鶏肉のささみを、ドッグフードにまぜて食べさせたり、人間の食事に入っている調理された牛肉や豚肉を、少量とは言えそのまま食べさせてしまったりしていました。
食事の時、物欲しげな茶太郎の顔をみると、ついついあげたくなってしまうのです。
1日に飲まなくてはいけない水分も、茶太郎まかせで、とくに細かく水分量のチェックなどはしていない日々を送ってしまっていました。
家族で猛省!水分量を徹底管理、流動食で少しづつ元気に
ほんとうに心から反省しました!
6月29日から、毎日、茶太郎にあげた水分量をこまかく記録していくことにしました。
最初の2日間は、無理やりシリンジを口に押し込まないと飲まず、手のひらからなどではまったく飲まなかったんです。
でも、7月に入ると、シリンジから手のひらに流動食をすこしだけ出すと茶太郎がなめてくれたので、この方法で毎日すこしづつ、記録しながら与え続けました。
日付 | 流動食cc | 水cc | 水分計cc |
6月29日 | 60 | 22 | 82 |
6月30日 | 44 | 15 | 59 |
7月1日 | 99 | 57 | 156 |
7月2日 | 86 | 79 | 165 |
7月3日 | 125 | 62 | 187 |
7月4日 | 145 | 16 | 161 |
7月5日 | 154 | 10 | 164 |
それでも、一日に最低必要な水分量297ccには、なかなか届かなかったのですが、少しづつ毎日水分量が増えていきました。
そして7月5日の夜、なにげなく試しにいままで食べていたドッグフードを2粒ほど鼻の近くに持っていくと、少し鼻でクンクンした後、力はなかったのですがパクっと食べてくれたのです!
茶太郎の血液検査の値が正常値に戻る!
翌日、7月6日は予約していた通院の日でした。
どきどきしながら血液検査の結果を待っていると、なんと腎臓にかかわる3つの値がすべて正常値の範囲に戻っていました。
最初にけいれんのあった6月11日からの血液検査の推移は、以下のようになりました。
検査項目 | 正常値 | 6月11日 | 6月24日 | 6月25日 | 6月26日 | 7月6日 |
BUN(尿素窒素)mg/dL | 7~27 | 51 | 190 | 98 | 47 | 25 |
クレアチニン mg/dL | 0.5~1.8 | 1.8 | 4.4 | 2.4 | 1.9 | 1.5 |
無機リン mg/dL | 2.5~6.8 | 5.3 | 12.2 | 4.5 | 3.7 | 4.9 |
この日、先生から、「茶太郎が最初に食べなくなってからもう2週間たったので、ここからは水分だけでなく、ドッグフードをすこしづつあげていくこと、少しだけなら昔から茶太郎が大好きなさつまいものおやつもあげても良い」と言われました。
手作り「流動食」とスペシャルドリンク「流動水」を開発!
ロイヤルカナンの流動食は、その容器がすばらしいので、最低でも1本は欲しいところです。でも価格がちょっと高いので、この流動食を与え続けるのは、経済的にちょっと苦しいです。
手作り流動食の作り方
解決方法は、同じロイヤルカナンの缶詰を使って、手作り流動食をつくるようにしています。ちなみにつくり方は、病院の先生に教えていただきました。
詳しい流動食の作り方は、是非、下記の記事をご参考にされてください!
流動水で水分補給
流動水とは、我が家で開発した、茶太郎スペシャルドリンクです。
流動水の作り方は簡単!
ロイヤルカナンの流動食を20ccと水180ccを混ぜ合わせるだけです。
普通の水だとなかなか飲んでくれないのですが、この流動水にしてから、茶太郎の1日にとる水分量が安定して増えていきました。
流動食がだんだん減り、流動水が増えてきています。
日付 | 流動食cc | 水cc | 流動水cc | 水分計cc | ドッグフードg |
7月6日 | 119 | 31 | 0 | 150 | 5 |
7月7日 | 140 | 48 | 0 | 188 | 20 |
7月8日 | 148 | 48 | 0 | 196 | 20 |
7月9日 | 160 | 108 | 0 | 268 | 210 |
7月10日 | 100 | 120 | 0 | 220 | 20 |
7月11日 | 160 | 50 | 105 | 315 | 20 |
7月12日 | 160 | 0 | 105 | 265 | 20 |
7月13日 | 50 | 0 | 215 | 265 | 24 |
7月14日 | 60 | 20 | 220 | 300 | 35 |
7月15日 | 70 | 15 | 190 | 275 | 40 |
7月16日 | 70 | 17 | 215 | 302 | 40 |
7月17日 | 70 | 20 | 165 | 255 | 40 |
7月18日 | 60 | 40 | 180 | 280 | 40 |
さらに、7月15日には、ドッグフードが、以前食べていた1日あたり40gの量に戻りました。
ちなみに、上の水分管理表には、今まで通り茶太郎が自分で飲んでいる水は含んでいません。自分で飲んだ水は+アルファとしています。
シリンジを使って、なかば強制的に飲ませてあげた水分だけを管理するようにしています。腎臓の悪いワンちゃんはとにかく水分補給がいちばんなので!
今ではおしっこもうんちもちゃんとできています。
本当に今回はもうだめかと思いましたが。。。でもまだまだ安心していないで、気を引き締めていかないといけませんね!
来月8月1日、茶太郎19歳の誕生日、元気に迎えられそうです!