「靴がきれいだと人に好かれる」
「靴をきちんと手入れしていると出来る人だと思われる」
などとよく言われますよね。ホテルマンは履いている人の靴を見てその人がどんな人かを判断するそうです。
でも、革靴のお手入れをする一番のメリットは、「人にどう思われるか」だけでなく靴がキレイになることで自分自身もすがすがしい気持ちになれることです。
実際、靴を一生懸命磨いていると集中するので色々なストレスも忘れて熱中できます。
我が家でも5年ほど前から靴磨きにはまっています。
黒い靴よりも汚れがどうしても目立つのが茶色の革靴 です。でも、茶色の革靴はなんとなくお手入れが難しいイメージがしますよね。
今回は、実際に茶色の「リーガル」の革のデッキシューズの靴磨きをしながら、カンタンにできる茶色い靴のお手入れの手順をご説明したいと思います。
- 茶色い靴ってどうやってお手入れすればいいの?
- 茶色い靴を磨く場合に必要な道具を教えてほしい。
- クリームでしみになったりしないか心配。
こんな方はぜひ読んでみてくださいね。
茶色い革靴の靴磨きに使う8つの道具
茶色の革靴のお手入れのときにそろえておきたい道具はこの8つです。
靴磨きの道具 | 目的 | メモ |
シューキーパー | 革靴の形を整える。 | |
馬毛ブラシ | 土やホコリを落とす。 | |
クリーナー | 汚れを落とす。 | |
革靴用のクリーム | 革に栄養を与える。 | 黒は補色効果あり。 |
ミニ豚毛ブラシ | 靴クリームを塗る。 | クロスや布でもOK。 |
豚毛ブラシ | 靴クリームをなじませる。 | |
クロス | 乾拭きして余分なクリームを落としてツヤを出す。 | 布でもOK。 |
グローブ | ツヤを出す。 | 布でもOK。 |
それぞれの靴磨きの道具についてはこのあと詳しくご説明します。
今回お手入れしていく革靴はこちらの茶色いリーガルのデッキ・シューズです。
茶色い革靴のお手入れの手順
茶色い靴でもお手入れの手順は基本的に黒い革靴と同じです。ただ、今回は、白いラバーソールのところがかなり汚れていたので、ラバーソールの汚れを落とす工程が入っています。
- STEP 1シューキーパーで革靴の形を整える革靴にシューキーパーを入れて革靴の形を整える。
- STEP 2ホコリを落とす馬毛ブラシで革靴についたホコリや乾燥した汚れを落とす。
- STEP 3ラバーソールの汚れを落とすラバーソールの部分の汚れを劇落ちくんで落とす。
- STEP 4古いクリームや汚れを落とすクロスにクリーナー(リムーバー)をつけて靴についた古いクリームやこびりついた汚れを落とす。
- STEP 5革靴用のクリームを塗る専用のブラシか指で革靴用のクリームを塗る。
- STEP 6クリームをなじませる豚毛ブラシで革靴用のクリームをなじませる。
- STEP 7余分なクリームを落として磨くグローブで乾拭きして余分なクリームを落としながら磨いていく。
- STEP 8完了!これで靴磨きが完了です。
STEP 1 革靴にシューキーパーを入れて革靴の形を整える
ふだんから使っている方も多いかと思いますが、使っていない方はまずは革靴に「シューキーパー」、なければやわらかい紙を丸めて靴に入れて形を整えておきます。
「シューキーパー」とは、靴の中に入れて靴のしわをのばしたり靴の形を整えるためのグッズです。
シューキーパーを使うのはこのような理由からです。
- 革靴の形を保ったり形のくずれを直す。
- 革靴のしわやひび割れを防止。
- 革靴のしわが伸びるので細かい部分の手入れができる。
どんな革靴でもシューキーパーを使ったほうがいいのですが、革靴は安くはないので、長持ちさせるにはシューキーパーを使うことを強くおすすめします。
とくに革靴の見た目を左右するのが形がくずれてしわができてしまった場合です。しわができると元には戻らないですし、乾燥するとそこからひび割れてきたりしてしまいます。
このため、革靴にはふだんからシューキーパーを入れておくほうが靴の見た目も革の状態も良い状態を保つことができます。
シューキーパーを入れておくと靴にできたしわがのびた状態になっているのでホコリや汚れが取れやすく、革に靴用クリームが浸透しやすくなります。
このため、靴のお手入れをする際にはシューキーパーがなければ紙などでもいいので丸めて入れておいて靴の形をきれいに保っておいてほうがきちんとお手入れができます。
シューキーパーには木製の高いものからプラスチックの安いものまでいろいろありますよ!
今回のデッキシューズのように、男性の革靴やビジネスシューズは木製のシューキーパーがおすすめです。
我が家では、女性のパンプスなどはプラスチック製のシューキーパーを使っています。
木製でも手軽に買える値段のシューキーパーもありますし、一度買ったらずっと長い間使えるので必要な数をそろえておくといいですね。
シューキーパーにこだわるならファンの多い「Sleipnir(スレイプニル)」のシューツリー
我が家も愛用している、木製でおすすめのアウトレット価格のシューキーパーはこちら
我が家も愛用している、女性の靴におすすめのプラスチックのシューキーパーはこちら
STEP 2 馬毛ブラシで革靴についたホコリや汚れを落とす
ここからが実際のお手入れの手順です。革靴を「馬毛ブラシ 」でやさしくブラッシングして靴のホコリや汚れをしっかりと落としていきます。
馬毛のブラシの毛にも色はいろいろあって黒色、白色や茶色もあります。馬にもいろいろなカラーの毛色がありますよね。
馬毛は毛が細くてしなやかなため、革靴の細かいホコリや土などの乾燥した汚れを取り除くときには馬毛のブラシが使われます。
ほこり取りとして革靴だけでなくムートンや合皮、スウェードなどの靴にも使えるので1本あると便利です。
馬毛ブラシとこの後に使う豚毛ブラシは似ているので、このように持ち手のところに印などをつけておくとわかりやすいと思いますよ~。
革靴をしっかりとブラッシングして汚れを落としておくとこの後で革クリームをまんべんなく伸ばすことができます。
また、靴につきっぱなしのホコリが湿気をおびて革がひびわれてしまうようなことも防ぐことができます。ついつい飛ばしてもいいような気がしてしまうのですが、このステップ2のホコリ取りは実は重要な作業です。
本来は靴ひもを外してからブラッシングしたほうがよいのですが、今回はそのままお手入れしちゃいました。
我が家で購入した馬毛ブラシはM.モゥブレィのホースブラシ。とても使いやすくておすすめです。
モゥブレィは、革靴の修理のプロも使用する、シューケアを代表する伝統的なイタリアのブランド。長い歴史があって、サフィールと並ぶ革製品のケア用品のトップブランドです。
STEP 3 「劇落ちくん」でラバーソールの汚れを落とす
今回磨いたデッキシューズは本来は白いラバーソールのところが結構汚れていたので、まずこの部分の汚れを落としました。
靴クリーナーやステインリムーバーではラバーソールの汚れは取れませんでした。消しゴムでも取れず、結局メラミンスポンジの「激落ちくん」に水を少しつけてこするとだいぶ汚れが取れました。
どうしてもラバーソールの汚れが取れない場合は試してみてくださいね。
STEP 4 靴クリーナーで靴についた古いクリームや汚れを落とす
次に革靴用のクリーナーを少量ずつ使って、靴についた古いクリーム、ついてしまった汚れを落としていきます。靴用のクリーナーはステインリムーバーとも言います。
汚れや古いクリームやを落とさないまま靴用クリームを何度も塗り重ねていくと、革がだんだん傷んでいってしまいます。このため汚れ落としは大事な作業となります。
ただし、茶色い靴の場合は黒い靴と違ってステインリムーバーを使うと「しみに」なってしまう場合があります。
くれぐれも最初に目立たない場所にクリーナーを少量つけてしみにならないかどうか確かめるようにしましょう。
しみができてしまうような場合は靴用クリーナーは使わず、革用のクリームだけでお手入れします。
目立たない部分でしみができないことを確認したら、クロス(布)に小豆大のクリーナーを取って靴全体をやさしくなでるようにして汚れや古いクリームを落としていきます。
汚れ落としのクロスとしては、Tシャツや肌着などのやわらかい薄手の綿をカットしたものを使います。
なお、少量で大丈夫であってもいっぺんに大量のクリーナーを使わうとしみになってしまう場合があるのであくまでも少しずつ使って汚れを取っていくのがコツです。
革靴について汚れや古いクリームはクリーナーの水分で浮いてくるので、ごしごしとこすらなくてもやさしくなでれば十分に汚れは落ちます。
革が痛んでしまうので、くれぐれも強い力でこすらないようにしましょう!
それでもまだ汚れが落ちない場合は、さらにクロスに少量のクリーナーを取ってくるくると円を描くようにしながら汚れの部分をふきとっていくようにします。
すると、最初は取れなかったよごれもだんだんすっきりと取れてきます。汚れがすっかり取れたら最後にきれいなクロスでふきながら靴クリーナーをふき取っていきます。
我が家では人気があって一番使いやすいM.モゥブレィのステインリムーバーを愛用しています。
この後ご紹介するスターターセットに左側の画像のミニタイプ(24ml)が入っていたのですが、すぐに使いきってしまいました。スタータセットのリムーバーはちょっと少なすぎるんですよね。
汚れもよくとれるし臭いもなく気に入ったので、右側の標準サイズ(60ml)を追加で購入しました。
STEP 5 専用のブラシか指で革靴用の靴クリームを塗る
汚れ落としが完了したら革靴用の靴クリームを塗っていきます。靴用クリームはこのような役割があります。
- 革に浸透をして栄養となる。
- 革がやわらかくなってひび割れやしわを防ぐ。
茶色い靴の場合は茶色の靴クリームを使うイメージがありますが注意が必要です。
このため、茶色い靴に一番おすすめなのはニュートラル(無色)の靴クリーム。無色だと茶色だけでなく他の色の靴にも使えるので、無色の靴クリームを1つ持っておくととても便利です。
革靴用のクリームは指で塗ると体温でクリームがあたためられるので塗りやすいのですが、ニオイもするし指が汚れるので靴クリーム専用のブラシで塗るのが一番おすすめです。
靴クリーム専用のブラシは「ペネトレイトブラシ」(ペネトレイトは英語で浸透のこと)とも言います。
革用のクリームは伸びがとても良いので、使うのはほんの少量で米粒2~3粒ほどで大丈夫です。ブラシにクリームを取ったらスピーディに靴全体に均一にさっさっと塗っていきます。
おすすめなのは、やはりM.モゥブレィのペネトレイトブラシです!
このあと豚毛ブラシでなじませていきますので、それほど神経質にならず適当に塗っていっても大丈夫です。
ブラシを使うと靴のコバ(靴の底が外にはみだしている部分)や靴ひものところ、しわができてしまったところなど、細かいところにもクリームを楽に塗り広げることができます。
しわができてしまっているところやひび割れしているところなどは、特にしっかりとクリームを補給して栄養を与えてあげると革が長持ちします。
我が家で使っている革用クリームはスターターセットに入っていた、エム・モゥブレィのシュークリーム(ニュートラル)です。
シュークリームといえばモゥブレィ。高い信頼度があることで知られていて靴磨きのプロからも支持されています。
伝統的なレシピで作られていて優れた浸透力で皮革に潤いと栄養を与えてくれる素晴らしいクリームです。
代表的なシュークリームなのに価格はリーズナブル。気軽に買えるところがかなりおすすめなポイントです。においもあまりありませんよ!
STEP 6 豚毛ブラシで革靴用のクリームをなじませる
靴用のクリームを靴全体にまんべんなく塗ったら、 豚毛ブラシでブラッシングして革靴用のクリームをなじませていきます。
ほこり取りに使う「馬毛ブラシ」と革クリームをなじませるのに使う「豚毛ブラシ」にはこのような違いがあります。
- 毛が細い
- 毛がやわらかくしなやか
- 毛に艶がある
- 毛が太い
- 毛が硬め
- 毛に艶がない
靴クリームを塗ってから豚毛ブラシでしっかりとブラッシングすると、余分なクリームを取り除きながら、クリームを全体に均一になじませることができます。
ブラッシングすることで、革のマッサージ効果もあります。このときにブラッシングする力は、馬毛のときよりも強めで大丈夫です。ブラッシングを続けるとだんだん靴の表面がツヤツヤに光ってきます。
- クリームを塗るときに使う豚毛ブラシには、豚毛にクリームがついてしまいます。
- このため、黒色のクリームなら黒色専用、茶色のクリームなら茶色専用、無色なら無色専用というように、クリームの色ごとに揃えるのがベストです。
クリームをのばす豚毛ブラシにも安いものから高級なものまでいろいろあります。豚毛ブラシでおすすめなのは、もちろんM.モゥブレィの豚毛ブラシです。
STEP 7 グローブやクロスで乾拭きして余分なクリームを落とす
最後に、クロスやグローブ型のクロスを使って磨いて仕上げていきます。
クロスで磨くと余分なクリームが取れてだんだん輝いてきます。ここでも磨くときはあくまでもやさしくごしごしとこすらないようにするのがコツです。
最後の仕上げに使うクロスは、汚れ落としのときに使ったようなTシャツや肌着などのやわらかい薄手の綿をカットしたものでもいいですし、フランネルの生地もおすすめです。
靴磨きのスターターセットにはグローブ型のミトンがついていることが多いのですが、手を入れて手軽に磨けるのでとても便利です。
靴磨きが完了!
これで靴磨きが完了です!
今回お手入れしたので艶が出てきたのが画像からもわかりますね。ラバーソールも白くきれいになっています。
きれいになった靴を見るととても気持ちがいいものです。
茶色い革靴の手入れや靴磨きに使う道具は何をそろえればいいか?
先ほどもご説明したのですが、茶色い革靴の場合は色々な色合いの茶色があって違う色の靴クリームを使うとしみになったり色合いが変わってしまったりします。
このため、茶色い革靴にはニュートラル(無色)の靴クリームを使います。また、靴クリームをのばすときの豚毛ブラシは、黒用を使うと黒いクリームが靴についてしまうので、別にそろえることをおすすめします。
我が家で購入したのは「銀座大賀靴工房」のオリジナルスターターセットです。
我が家では、銀座大賀靴工房が結構気に入っていていつもこのストアで買っています。Amazonにも楽天にもはいっていて便利ですし、なんだか「銀座」というネーミングが高級そうでよくないですか?(笑)。
「銀座大賀靴工房」で販売されているスターターセットにはいろいろな種類がありますが、すべて高級感のあるボックスに入っていますし、別売りの紙袋をつけることもできるのでプレゼントにもおすすめです。
こちらがセットの内容です。
- M.MOWBRAY シュークリーム:ニュートラル(無色)
- M.MOWBRAY シュークリーム:ブラック
- 靴クリーム塗布用ミニ豚毛ブラシ2本
- ミニブラシ(化繊)1本
- ミニブラシ(馬毛)1本
- 竹ようじ1本
- ミニステインリムーバー(汚れ落とし)1本
- ミニクロス(約 85mm×380mm)1枚
- 靴磨きムートングローブクロス1枚
- 銀座大賀靴工房オリジナルボックス
このWクリームセットのおすすめポイントはこんなところです。
- 黒色と無色の2色の靴クリームが入っている。
- ミニブラシが2本入っているので、黒い靴も茶色などの黒以外の革靴のお手入れもできる。
- 2色使えるのに値段が4,040円 (税込)。
- 汚れ落としのクリーナーも入っている。
- 革靴のお手入れに基本的に必要なものはすべて入っている。
このセットの今一つなところです。
- ブラシがミニタイプなので小さい。
- ミニブラシの1本は豚毛ではなく化繊のブラシ。
- 汚れ落としのステインリムーバーはミニタイプなのですぐになくなる。
ミニブラシは、手のひらサイズで小さ目ですが、女性ならこれでも大丈夫だかもしれませんが、男性には小さすぎると思います。
このセットは馬毛と化繊のミニブラシが2本ついているタイプなので、我が家では黒以外の靴にはこのミニブラシのセットを使っています。
黒い革靴用には追加でブラシを購入しました。おすすめなのは大好きなM.MOWBRAY(M.モゥブレィ)のブラシです。
【馬毛ブラシ 】
【豚毛ブラシ 】
豚毛ブラシは家にもともとあったの使っていますが、購入するならもちろんおすすめなのはM.MOWBRAY(M.モゥブレィ)の豚毛ブラシです。絶対におすすめです。
ただ、今回のデッキシューズのように男性ものの靴の場合は、やっぱり大きいブラシのほうが使いやすいと思いました。
このため、最初から黒色とそれ以外の色の靴のお手入れをしたい場合は、大きいブラシが2本ずつ入っているセットのほうがいいかもしれません。
大きいブラシのフルセットで2色用入っているのはこちらのセットです。
セットの内容です。
- M.MOWBRAY シュークリーム:ニュートラル(無色)
- M.MOWBRAY シュークリーム:ブラック
- 靴クリーム塗布用ミニ豚毛ブラシ2本
- 馬毛ワークホースブラシ1本
- 豚毛ワークブラシ(ホワイト1本、ブラック1本)
- 竹ようじ1本
- モウブレイステインリムーバー60ml1個
- モウブレイシューポリッシュ1個(ニュートラル)
- リムーバークロス1枚
- 靴磨きムートンクロス1枚
- コットン1枚
- 銀座大賀靴工房オリジナルボックス
ちょっとお値段がはりますがとてもおすすめのセットです。
我が家が購入したときには、この大きいブラシの入ったセットは売っていなかったのでいまから購入するならWクリームで大きいブラシの入ったこの「GOLD」セットがイチオシです。
まとめ
この記事では、茶色い革靴をお手入れする手順を詳しくお伝えしてきました。
我が家も5年ほど靴磨きをしていますが、やっぱり靴がきれいになると気持ちいいものです。
その時によって忙しいときには正直言ってめんどくさかったりするときもあるのですが、慣れると割と早くできるので一度試してみてはいかがでしょうか。
最初は靴磨きの道具を一つ一つそろえるとお金が結構かかってしまうので、必要な道具が一式まとめて入っているスターターセットを買うことをおすすめします!
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