靴磨きを本格的に始めてみると、やってみたくなるのが「鏡面磨き 」。
ビジネスシューズやローファーなどのかっちりした革靴のつま先やかかとを鏡のようにピカピカにするのが鏡面磨きです。
我が家でも5年くらい前から道具をそろえて靴磨きをするようになったので、もちろん鏡面磨きにもチャレンジしています。
でも、適当にやるとうまく鏡面にならないことも多いんです。
この記事では、また、我が家の経験を踏まえて失敗しないように鏡面磨きを行うやり方をご説明します。
革靴をピカピカにして気分をリフレッシュしていきましょう!
まずは靴磨きのやり方を知りたい、という方はこちらの記事をごらんください。
【初心者でも簡単に靴磨き】革靴の手入れで心も靴もリフレッシュ!
革靴のハイシャインポリッシュ=鏡面磨きとは?
「鏡面磨き」は、革靴の汚れをとって革用の栄養クリームを塗って磨き上げた後にオプションとして行います。
特殊な油性のハイシャインのワックスを使って、つま先やかかとの部分だけを鏡面(ミラー)のように顔がうつるくらいにもっとピカピカの艶々にすることを言います。
「ハイシャインポリッシュ」や「ミラーシャイン」とも言ったりします。
ワックスを革の毛穴に何層にも重ねて塗り込んでから磨くと鏡のような輝きになっていきます。
照明の関係でちょっとわかりにくいのですが、鏡面磨きをした後のほうがつま先のところが光っていることがわかりますね。
特に男性のビジネスシューズやパーティのときに履くパンプスなど、フォーマルな装いに履く靴に鏡面磨きをすると、見た目がかなり美しくなるのでおすすめです。
革靴の鏡面磨きに使う4つの道具
革靴の鏡面磨きに使う道具はシンプルでこの4つだけです。
- ワックス
- 水
- クロス(布)
- 馬毛ブラシ
一つずつ詳しくご説明します。
鏡面磨きに使う道具 ① ワックス
鏡面磨きに使うワックスには主成分に蝋(ロウ)が含まれています。
ロウソクを想像していただくとなんとなくイメージがつくと思いますが、革の表面をコーティングするように蝋を塗ることで光沢のある輝きが生まれます。
ワックスを何層にも重ねて塗り込んでから磨くことで、鏡のような輝きになっていきます。ただし、蝋が主成分でクリーム状ではなく固形になっているので、水で伸ばしながら塗る必要があります。
鏡面磨きに使うワックスの種類は豊富にあるのですが、ここでは代表的な3つのワックスをご紹介します。
サフィール ビーズワックス
鏡面磨き用ワックスとして使いやすくて値段もお手頃で人気なのが「サフィール ビーズワックス」です。
サフィールは、世界のレザーブランドやシューメーカーから圧倒的に支持されているメーカーです。
我が家ではそこまで鏡面磨きをしないので鏡面磨き用ワックスは一つしか購入しておらず、いろいろググってこの後ご紹介する「サフィールノワール・ミラーグロス」にしました。
ただ、あとで調べてみると、
サフィールノワール・ミラーグロスはワックスが硬めなので使うのが難しい。
というコメントも結構見ました。
このため、初心者の方の場合は代表的なシューケアブランドの「サフィール ビーズワックス」をおすすめします!
サフィール ノワール・ミラーグロス
鏡面磨き用ワックスとして代表的で靴磨きのファンから支持されているのが「サフィールノワール・ミラーグロス」です。
「サフィール ビーズワックス」と「サフィール ノワール・ミラーグロス」との違いはこのような感じです。
- 一般仕様
- 880円 (税込)
- 初心者でも使いやすい
- 指の温度でサッと溶けて塗りやすい
- プロ仕様
- 2,420円 (税込)
- 鏡面にするのが難しい
- 硬いのでなかなか溶けない
「サフィール ノワール・ミラーグロス」は、プロ仕様だけあってスピーディに輝かせることができるワックスです。
「靴磨きが趣味」というような方は、ぜひノワール・ミラーグロスを使ってみてください!
エム・モウブレイ ハイシャインポリッシュ
3つ目にご紹介するのは「エム・モウブレイ ハイシャインポリッシュ」です。
我が家では、こちらの記事にも登場しますが靴磨きにはほとんどイタリアのブランドである「M.MOWBRAY エム・モウブレイ」の道具を使っています。
なぜかと言うと、たまたま最初に「エム・モウブレイ」の靴磨きスターターセットを購入してファンになったからです。
「エム・モゥブレイ」は、熟練の職人の伝統的なレシピを守り、伝統と品質を守っている素晴らしいブランドです。
老舗ブランドなのにサフィールよりも全体的に値段がお手頃なのもおすすめポイント。このワックスも860円~880円 (税込)くらいで入手することができます。
鏡面磨きに使う道具 ② 水
ワックスを均一に伸ばした後に適当な容器に入れた「水」を布につけて磨いていきます。
水をつけながら磨く理由は、クロスだけでワックスを磨くとクロスでワックスをこすり取ってしまうからです。
ワックスは油性で水と混ざらないため、ワックスに水を混ぜて磨くわけではないんです。
水は「ハンドラップ」というディスペンサーに入れる人も多いです。頭部のところを軽く押すだけで決まった量の水が出るので便利です。
我が家では、浅い容器に水を入れて使っています。
鏡面磨きに使う道具 ③ クロス
「クロス」に水をつけてワックスを磨いて輝かせていきます。
ふつうのコットンでもいいのですが、フランネル素材のコットンのほうが生地がやわらかいのでワックスを傷つけずにやさしく磨くことができます。
我が家では眼鏡ふき用のクロスがあまっていて、やわらかいのでこれを使っています。
なければTシャツなどを切ったものでも大丈夫ですよ!
鏡面磨きに使う道具 ④ 馬毛ブラシ
「馬毛ブラシ」は、だいたい靴磨きを本格的にしている方はすでにお持ちだと思います。
馬毛ブラシは、ワックスを塗り重ねて水で磨いた後に鏡面磨きをした部分としていない部分を均一にするときに使います。
革靴の鏡面磨きの5つの手順
革靴の鏡面磨きはこのような順番で行います。
- STEP 1シューキーパーで革靴の形を整える革靴にシューキーパーを入れて革靴の形を整える。
- STEP 2ワックス塗りを数回繰り返すワックスをうすく塗る作業を数回繰り返す。
- STEP 3水をワックスにのせる指先に水を1~2滴とり、ワックスを塗った部分にのせる。
- STEP 4ワックスを磨くクロスでワックスを磨く。足りなければ水を適宜足す。
- STEP 5ほかの部分と均一にする馬毛ブラシで軽くブラッシングして鏡面磨きをした部分とほかの部分を均一にする。
STEP 1 革靴にシューキーパーを入れて革靴の形を整える
靴磨きのときと同じですが、まずは革靴に「シューキーパー」を入れて形を整えておきます。
また、なぜ鏡面磨きの前にもシューキーパーを入れておくかというと、シューキーパーを入れると靴にできたしわがのびるので、ワックスを塗りやすくなります。
愛用しているおすすめの木製のシューキーパーはこれです。アウトレット価格なのに有名メーカーと同等の仕様でとてもおすすめです。
STEP 2 ワックスを塗る作業を数回繰り返す
次にワックスを塗っていきます。
ワックスの一層目を作る
まずは、ワックスを少量指に取ってつま先とかかとにうすくやさしく均一に塗りながら広くのばしていきます。これが一層目です。
なぜつま先やかかとだけを鏡面磨きにするかというと、靴を履いていて足が曲がる部分はしわができますのでワックスだとその部分が割れてきてしまうからです。
ロウソクの蝋(ロウ)は固まると割れやすいですよね。あれと同じ原理です。我が家ではなんとなくつま先だけを鏡面磨きにしています。
また、なぜ指で塗るのかというと布でも試してみたことはあるのですが、ワックスの相性があまりよくなくきれいに均一にならないからです。
ただし、臭いもつくしあまり直接ワックスを指で塗りたくないので、我が家では使い捨てのぴっちりした手袋で塗っています。
お好みで指で塗ったり手袋を使ったりして試してみてください。
ワックスが硬すぎても柔らかすぎてもうまくいかないので、やわらかさを調節するようにします。
一層目を塗ったらもう片方の足のほうの一層目を作ります。こうしている間に最初に塗った足の方のワックスの一層目が乾きます。
ワックスの2層目を作る
左足と右足にワックスを1層ずつ薄く塗り広げて乾かしたら、次に2層目を塗っていきます。
何足かいっぺんに鏡面磨きをすれば、最初の靴の2層目を塗るころには完全に乾いているので靴1足ではなく何足かワックスを塗るようにしてもいいですね。
はじめてワックスを塗る靴であれば、5回くらいはこの作業を繰り返します。何回か鏡面磨きをしている場合は3回くらいでじゅうぶんです。
最後に5分くらい乾かせば完全にワックスの層が仕上がります。
STEP 3 ワックスに水を1,2滴たらす
ワックスの層ができたら指先に水を1~2滴とり、ワックスを塗った表面にのせておきます。
このとき、水滴を先にたらさずにクロスに水を浸してふいていってもよいのですが、我が家では先に水滴をたらしておいたほうがうまくいくのでこのようなやり方をしています。
靴磨きのプロの方もこのようなやり方をしていらっしゃいました。
STEP 4 クロスでワックスを磨いていく
クロスで水滴をたらしたワックスのところを磨いていきます。水があることでワックスの伸びがよくなって磨きやすくなります。ふいているときに摩擦を感じたらすぐに水を適宜足していくようにします。
水はたっぷり使うと磨きにくいので、全体的に少し湿っている程度のほうが磨き作業がうまくいきます。
この作業は結構根気がいる作業で時間もかかるのですが、ゆっくりとやさしく磨いているうちにだんだん艶が出てピカピカに光るようになってきます。
音楽やラジオを聞きながら気長にやっています。
STEP 5 馬毛ブラシでほかの部分と均一にする
最後に馬毛ブラシで軽くブラッシングして鏡面磨きをした部分とほかの部分を均一にしていきます。
コットンを使って軽く均一にする感じでもOKです。
鏡面磨きが完了!
お疲れさまでした。これで鏡面磨きが完了です!
どうでしょう?うまくできましたでしょうか?うまく鏡面にできて艶が出てピカピカになった革靴を見ると、気分がすっきりしてとても気持ちがいいものです。
鏡面磨きは靴磨きとは違って毎回するものではなく、光沢がなくなってきたタイミングでOKです。
毎回だと時間がかかってちょっと大変な作業ですね。
まとめ フォーマルな革靴におすすめの鏡面磨き
この記事では、フォーマルな革靴におすすめの鏡面磨きに使う道具、そして鏡面磨きの手順についてご説明してきました。
鏡面磨きは結構難しくて、ワックスの層が固まっていないのに待ちきれずに次の層を作るとムラムラになったりと根気のいる作業です。
だからうまくいくと本当に気持ちがいいんです!
「これから靴磨きを始めてみよう」という方、「靴磨きはしているけれど鏡面磨きはしたことがない」という方は、ぜひチャレンジしてみてくださいね!