ブラタモリのブラ記録 鳥取砂丘。日本各地にたくさんある砂丘の中で、鳥取砂丘が人気の秘密、魅力のポイントは?

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NHKの大人気シリーズ、ブラタモリ。見ているだけで癒されるし、勉強にもなります。その土地の歴史、秘話、地形に残された痕跡に出会いながら、街の新たな魅力・文化などを再発見していく番組です。

いつの日かその土地に行くチャンスがあったならば、その前にブラタモリの記録を読み返しておくことで何倍も楽しむことができると思い、番組の内容を忘れないうちに、このブログの中に「ブラ記録」としてポイントだけを記しておきたいと思います。

鳥取砂丘が人気あるのはなぜ?

リードをつないでいれば鳥取砂丘はワンちゃんも連れていくことができるようです。一面砂の世界が広がる鳥取砂丘は国の天然記念物にも指定され年間約200万人が訪れる観光地です。日本海に面していて広さは東西2.0㎞、南北1.5㎞にもなります。

日本には主な砂丘だけでも全国に30か所もあり、広さで鳥取砂丘より広い砂丘もあります。それなのに鳥取砂丘が観光名所としてずば抜けて人気があるのはなぜかについて先ず考えていきます。

鳥取砂丘の一番の人気スポットは「馬の背」と呼ばれる砂の高まりです。内陸から海に向かって砂丘を歩いていくと海の手前で傾斜32度の大斜面となり砂でできた小高いおかとなり、ここを「馬の背」と呼んでいます。その高さは海から45mにもなります。(ちなみにこの傾斜30度は安息角といって砂が自然に安定する角度です)

この「馬の背」の頂上から砂丘全体、陸地側を見ると、「馬の背」と同じ高さのもうひとつの高い砂丘ができているのが確認できます。この丘を「らくだの高まり」と呼んでいます。このように海から隣接した異なる2か所で2つの高い砂の丘があるのは全国でも鳥取砂丘しかなく、このような大きな起伏、高低差を感じることができるのが鳥取砂丘の他の砂丘にない、いちばんの魅力となっています。

この2つの高い砂の丘は海からの風でできたものです。近くを流れる川から出た大量の砂が日本海からの強い風で吹き上げられて長い時間をかけできています。よって少しずつですが砂丘は海から内陸に向けて移動しています。

なぜ1つではなく、2つの大きな高まりが隣接しているのか?

それは海から離れた方の丘、「ラクダの高まり」の地質をみてみるとわかります。「ラクダの高まり」付近では赤い土をみることができます。この赤い土は降り積った火山灰です。実は「ラクダの高まり」は風でできた砂の丘の表面がこの火山灰で覆われていて、その火山灰の上にまた砂が積っている地質になっています。

「らくだの高まり」は、この火山灰にパックされていることにより、砂丘全体が海からの風によって内陸に向けてこれ以上移動することがありません。いっぽう海側のもう一つの丘、「馬の背」が風により内陸に向けて移動してきたために、2つの丘がすぐ近くに隣接するという現在の鳥取砂丘の形が出来上がったのです。

このようにして素晴らしい景観が出来上がりました。

火山灰はどこから降ってきたのでしょうか?

鳥取砂丘の中に鳥取大学乾燥地研究センターがあります。このセンターでは鳥取砂丘を実験場として、農作物の品種改良や砂漠の緑地化などの最先端の研究が行われています。

研究所は鳥取砂丘の地層も研究していて、「ラクダの高まり」の火山灰は鹿児島の姶良(あいら)から飛んできたものであることがわかっています。ところがこの姶良の火山灰はわずか10cmほどです。

実は砂丘の地層をさらに掘っていくと、姶良の火山灰のさらに下層に約6万年前に噴火した中国地方の最高峰「大山」の噴火で飛んできた分厚い火山灰の層(大山倉吉軽石層)があることがわかりました。

鳥取砂丘から南西にわずか65km離れた場所にある「大山」が噴火して降ってきた火山灰により砂丘全体がパックされ風で動かない高い砂丘(ラクダの高まり)となり、後からできた「馬の背」によって2つの隣接した起伏の大きい砂の丘が出来上がったのです。

鳥取砂丘が人をひきつける魅力、湧水

2つの高い丘の他にも鳥取砂丘が人をひきつける大きな魅力があります。

それは「湧水」です。鳥取砂丘では砂丘の地下から水が湧いているのです。この湧き水は1年を通じて枯れることがありません。1日に600トンもの水が湧き出ています。

砂丘にもかかわらず、なぜこんなにも多くの湧き水があるかは、火山灰の層が水を通さずに、砂に帯水(たいすい)させていることが理由です。砂丘に降った雨は、水を通しにくい火山灰にあたり横に流れ、砂丘の下部にオアシスとなって湧き出ています。

鳥取大学乾燥地研究センターではこの湧き水を利用して、砂丘の中でわさびの栽培を行っています。また砂丘の近くの一般家庭ではこの湧き水で生活水を賄っているところもあります。

このように鳥取砂丘は「水の豊富な土地」であったため、江戸時代から農地や住宅地として開発が進んでいきました。よって現在観光地として行くことのできる鳥取砂丘(観光砂丘)は、もともとの砂丘全体のごくわずかなエリアでしかありません。

「観光砂丘」はなぜ開発されずに残ったのでしょうか?

砂漠、起伏のある地形という立地に当時の陸軍が目を付け、終戦までこの観光砂丘は陸軍の演習場として使われてきました。この土地は終戦まで陸軍のものだったのです。これまでに砂丘の中から演習で使ったピストルの弾丸がみつかっています。このことがこのエリアだけ農地や住宅地へ開発されず、現在まで砂丘として残った理由です。その後昭和30年に国立公園に指定されました。

鳥取砂丘が人をひきつけるもう一つの魅力、神話

砂丘のいちばん西の端にいくともうひとつの魅力を確かめることができます。

ここは神話イナバのシロウサギの舞台で白兎海岸(はくとかいがん)と呼ばれています。

ここに建てられている白兎神社には神話のうさぎが神様として祀られています。神社には「御手洗の池」というシロウサギがからだを洗ったとされる池があります。

この池は別名で「不増不減の池」と呼ばれていて、池の水は雨が降っても増えないし、日照りが続いても減ることがありません。なぜでしょうか?

先ず「不減」の理由は、池の底が「安山岩」でできていることです。安山岩は風化すると粘土となるため水を下に通しません。池の水は湧き水で一定量流れ込むため、池の水は減らないのです。

そして「不増」の理由、池の水が増えない理由が、この池の東側半分の上部分が鳥取砂丘の最西端にあたる部分であり、池の水が一定量増えると水が砂丘の中に染み出すため、水が増えることがないのです。

鳥取砂丘の西の端という立地が、不増不減という不思議な池をつくりだし、イナバのシロウサギという神話をつくりだしたのかもしれません。

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