翻訳者の辞書環境としておすすめの辞書があったら教えてほしい!
翻訳の仕事をこなす場合、「探している単語の正しい訳語をいかに早く探すか」、ということが重要ですね。
わたしは翻訳の仕事を始めて約15年ですが、①インストール版&オンライン版の英辞郎、②Weblioオンライン英和・和英辞典、③PASORAMA電子辞書、この3つを主に使っています。
ちなみに専門用語はランダムハウス英和大辞典、ビジネス技術実用英語大辞典、180万語対訳大辞典 などを引いてもあまり載っていません。
このため、オンライン辞書としては「Weblio (ウェブリオ) 英和・和英オンライン辞典」と「英辞郎 on the WEB PRO」を愛用していて、両方とも毎日仕事で使わないことはない有料会員のヘビーユーザーです。
英辞郎はインストール版の時代から約20年、ウェブリオももうすでに使い始めて6年くらいになるでしょうか。
20年以上愛用している「英辞朗」の詳しいレビューはこちらをどうぞ。
Weblio辞書は翻訳者に一番人気の辞書。英辞郎と一緒に使うと最強です。
インターフェースも見やすく使いやすい!オンライン版もiPhoneのアプリもとても気に入っています。
この記事では、翻訳作業をサクサク進めるためにおすすめの、Weblio英和・和英辞典の特徴やおすすめポイントをお伝えしたいと思います。
無料会員でもかなり充実した機能を使うことができますよ!
この記事はこのような方におススメです。
- 翻訳に使いやすいオンライン英和・和英辞書を探している
- とにかく収録語数の多い辞書を教えてほしい
- Weblioの有料会員になるべきか知りたい
- 英語の単語力をつけたい
- TOEICの点数も上げたい
Weblio英和・和英辞典とは?
Weblio辞書とは、複数の辞書や用語集を一度に検索し一度に表示する、ウェブリオ株式会社が運営する統合型オンライン辞書サービス。
無料のオンライン辞典の中では、翻訳者の中から圧倒的な支持を集めている辞書です。
ウェブリオのサービスは、国語辞典や類語・対義語辞典、翻訳、オンライン英会話、日中中日辞典、日韓韓日辞典、などなど多岐に渡っていて、562の専門辞書や国語辞典・百科事典からデータを一括検索できるのが特徴。
このウェブリオのサービスの中にWeblio英和・和英辞典があり、国内最大級のオンライン英和・和英辞書となっています。
このため、英和・和英だけでなく、言葉の意味を調べる必要が出てきたときでも、そのままウェブリオのサイトで検索できるのも便利なポイントです。
国内最大級というだけあって、研究社の『新英和中辞典』『新和英中辞典』を中心に、81種類の英和辞典・和英辞典が一度に検索できます。
収録語数が圧倒的に多い
ウェブリオに収録されているのは、以下の語数です。
- 英語:555万語
- 日本語:603万語
- 合計:約1158万語
オンライン辞書としては、単語数が圧倒的に多いのが特徴です。
と言っても多いのかどうかよくわからないですね(笑)。
この収録語数がどれだけ多いかというと、たとえば世界で最大の英語辞典と言われているオックスフォード英語辞典(OED)の語数は60万語、定評のある大型辞書の『ランダムハウス英和大辞典』でも派生語・変化形・成句を含めて34万5,000語です。
これをみると、合計約1158万語というのがもうケタ違いに多いのがわかりますよね。わたしの愛用している「英辞朗」でも収録語数は219万となっています。
このように単語数が圧倒的に多く、探している単語を見つけやすいのがWeblio辞書の最大の特徴。他の辞書では見つけられないような英語の専門用語の意味や訳語を調べたいときに、非常に便利です。
わたしは社内翻訳の仕事をしているので、Weblio英和・和英辞典で探している専門用語が見つかることが多く、本当にありがたい存在です。
英語の用例が豊富
英語の意味を英和辞典で調べられるのはもちろんのこと、このように、豊富な英語の用例をみることもできます。
この英語例文のページはかなり見やすくて使いやすいんです。
例えば探している単語がのっていなかった場合でも、例文をみるとだいたいどのような訳語にすればいいか推測できるので、用例が多いのはとても便利です。
もちろん、その単語の文脈での使い方もわかりますよね。
例文検索は条件設定をして、自分の探している分野の辞書から検索してくることも可能です。
マイ単語帳が作れる
ウェブリオで登録して無料会員になると、自分が調べた単語を「マイ単語帳」という英単語帳に登録することができます。無料会員では、200語、有料会員では20,000語を保存することができます。
マイ単語帳に登録した英単語は、意味を自分の好きなように編集することができますので、自動で出てきた訳語は気に入らず「この訳語を入れておきたい」というときに重宝します。
わたしは、iPhoneのアプリ「Weblio英語辞書」も使っているので、テレビを見ていて知らない単語が出てきて調べた時などに、必ず単語帳に保存しておくようにしています。
いつも間違える単語をまとめたり、特定のテーマに沿った単語を集めたりすることもできるので単語帳としてとてもおすすめできます。
知っているけれどちょっと不安な英単語は、単語帳に入れておいてあとで「単語帳の学習」機能を使って勉強することもできます。
単語帳は自分の好きな種類にわけることができて、無料会員はフォルダが2個、月額330円 (税込)の有料会員ではフォルダが200個作れます。
わたしの場合は、いまは技術系が2つ、一般が2つ、そしてメディカルと、5つのフォルダに分けてフル活用しています。
マイ単語帳で英単語の学習ができる
マイ単語帳では、単語の学習をすることができてすき間の時間にちょこっと単語を覚えるのにとても便利です。
マイ単語帳に登録した単語は、フラッシュカードや選択式問題の形式で復習することができます。
1クリックするか左右にスライドさせることで、「勉強中」と「覚えた」という登録ができて、「勉強中」にした単語はまたフラッシュカードの中に出てくるので、何度も覚えるまで勉強することができてとても便利。
iPhoneのアプリは、アップデートされてさらに便利に!
学習タブでは、このように単語学習ができるだけでなく、語彙力テストもできるようになりました。
こちらは単語学習のページです。自分の登録した単語を学習できるだけでなく、英検、TOEIC、ビジネス、スラングなど、細かくわかれた単語帳を学習することができます。
こま切れ時間を利用して勉強できるので本当に便利です。
そのほか、語彙力テストもあります。
総合、英検、TOEFLなどにわかれて語彙力テストを受けて、100位以内であればランキングにも掲載されますよ。
例文帳の機能がある
マイ単語帳とあわせて便利な機能として、「例文帳」という機能があります。
例文帳は、自分が調べた例文や自分で作成した例文を保存しておくことができる機能です。よく使う文章は定型文として保存しておけば、いちいち一から作成しなくてもコピペで保存し手置いた文章が使えて便利。
登録可能な例文数は、日本語は200文、英語は最大で400文字までです。現時点ではプレミアムサービスご利用の方も無料会員の方も上限200文ですよ!
わたしは、実はまだ使ってないのですが…。
語彙力診断テストができる
ウェブリオには語彙力診断テストという機能があり、英単語の意味を選択肢から選ぶという形式の25問のテストにチャレンジできます。
語彙力診断には「英検」「TOEIC」などもあり、結果が出ると合否の目安を判定してくれます。間違えた単語を単語帳に登録することができるので、自分の苦手な単語を把握することもできます。
無料会員では連続して4回、プレミアム会員では無制限でテストができるので、英語の実力を上げるのにはもってこいですね。
TOEIC、英検、大学入試、TOEFLのそれぞれの診断テストができますよ!
結果は自動的に記録されるので、自分のスコアがどのくらいかをわかりやすいグラフで見れるので一目で自分の実力を把握できます。
英語の発音もチェックできる。
もちろん英語の発音記号ものっていますし、音声も聞くことができます。正しい単語の音声がわかるので英語の学習にも最適です。
辞書のカスタマイズができる
これは地味ながらとても便利な機能ですが、ウェブリオは辞書のカスタマイズができます。
自分の探したい専門分野の辞書からまず調べたり、使わない辞書は下の方にしたりと、自分仕様に変えることができるので、スピーディに探している単語を見つけることが可能です。
ターボ検索ができる
この機能はわたしはほとんど使っていないのですが、ターボ検索をオンにしておくと、インクリメンタルサーチで単語の予測検索ができます。
単語を入れるごとに単語を予測して候補が一覧で表示されるので、スペルがあやふやな場合に使うととても便利。
一覧で表示された単語をマイ単語帳に保存することもできます。
また、インターフェースもシンプルになるので、辞書がシンプルな見た目のほうがいい場合は使ってみてくださいね。
共起表現もチェックできる
ウェブリオは共起表現もチェックすることができます。
共起表現=コロケーション(collocation)は、大学の英語学科などでコーパスという膨大な言語資料の中のコロケーションとして学習したりしますが、あまり知られていないかも知れません。
共起表現とは、二つ以上の単語の慣用的なつながりや連語関係のことを指します。任意の文書や文において、ある文字列とある文字列が同時に出現することを指します。
この共起表現のところを見ると、検索している単語の1語左で並び替えたり、1語右で並べ替えたりすることができます。
これはとても便利な機能で、検索している単語がどのような単語と一緒に使われることが多いかを調べることができます。
Weblioの英和・和英翻訳機能はおすすめしません!
Weblioにも翻訳機能があります。
でも、いくらWeblioが大好きなわたしでも、この翻訳機能は…すみません、正直言って使い物にならないです。
自動翻訳機能を使いたい方は、Google翻訳やDeepLをおすすめします。特に英文和訳はかなりの進化を遂げていますよ!
WeblioのChrome拡張機能で訳語がポップアップ
Weblioは、Google Chromeの拡張機能が使えます。
weblioポップアップ辞典という名称で、ウェブページの英語の部分にマウスをあててマウスオーバーさせることで、英語の意味を即座に表示させることができて便利です。
わからない英単語の意味をわざわざ別のページで調べるのがめんどうくさい…。
こんな方に便利な機能です。
Weblioの無料会員と有料会員の違い
ウェブリオの有料会員の料金は月額330円 (税込)です。安くないですか?
もちろん、無料会員でもかなりの機能が使えるのですが、有料会員になると広告がなくなったり、単語帳のフォルダ数が増えたりと、さらに便利な機能を使うことができます。
プレミアム会員だけが使える機能です。
わたしがどうして有料会員になっているかというと、主に広告がうっとうしいのと、登録したい単語が200語以上になったからです。
ウェブリオの有料会員になったほうがよいのか、ということですが、ウェブリオはこの種の辞書の中では断トツに無料会員でもかなりの機能を使える辞書だと思います。
よって、無料会員でも十分に活用できるとは思います。
ただし、広告はうっとおしい!広告をなくすためだけに月額330円を払っても惜しくないくらいです(笑)。
また、「単語をいっぱい登録して英単語の学習をしたい」とか、「単語を細かくフォルダ分けしたい」、とか「語彙力診断テストを何回もしたい」というように、英単語の学習のために使いたい方は、有料会員をおすすめします。
まあ、月額300円ちょっとだと、コーヒー一杯ガマンすればいいくらいのお手軽な金額ですしね!
翻訳者なら使うべきおすすめのWeblio辞書:まとめ
この記事では、わたしが翻訳や海外の業務のときに大活躍で愛用している「Weblio英和・和英」辞書についてお伝えしてきました。
Weblio辞書を使えば、探しても探しても単語が見つからない、などということがだいぶ減ります!
辞書の収録語数が多く使いやすいだけでなく、英語の学習機能も充実しているのがWeblioの特徴。英語の学習にも最適です。
多くの機能が無料で使えるのでまずは一度使ってみてはいかがでしょうか?
翻訳者としては英訳した英文の文法やスペルミスがないかどうかチェックすることは重要です。英文チェックに欠かせないおすすめのサイトをご紹介しています。
翻訳者の方や翻訳の学習中の方は、「英辞朗」とあわせて使えばかなりの単語を網羅することができるのでオススメです。
翻訳者が実際に使っている辞書ランキングはこちらです↓