こんにちは、ミッキーです。海外業務と英日・日英の社内翻訳をしています。
英語の文法・構文や文書の読みやすさは、毎日愛用している優秀なチェッカー「Grammarly(グラマリー)」で必ずチェックしています。
「Grammarlyでよくチェックが入る項目」シリーズでは、わたし自身や日本人の書く英文の中でGrammarlyのチェックがよく入る間違いについて、なぜエラーのチェックが入るのか、実際にどのように修正してくれるのかを、備忘録を兼ねてご紹介しています。
今回は、Run-on Sentencesについてお伝えします。
「Run-on Sentences(ラン・オン・センテンス)」とは、ざっくり言うと2つ以上の英文が適切につながれていない文章のことを指します。
日本語だと句読点や接続詞で文章をつなげるという感覚があまりないので、英文ライティングが得意な方でも非常に間違うことが多く、要注意です。
この記事では、Run-on Sentencesとは何か、具体的な文例を挙げながら修正ポイントについてくわしく解説していきます。
Run-on Sentencesをマスターすると英文ライティング力が大幅アップ!英検の二次対策やTOEICの点数アップにも役立ちますよ。
大学は英語学専攻。2年間のアメリカ留学を経て英語講師を8年経験。その後は約15年間、海外業務と翻訳の仕事をしています。たまに通訳も。ずっと英語畑です。
TOEIC990点、英検1級、通訳案内士
Run-on Sentences (Run-onセンテンス)とは?
あまり聞きなれないですが、Run-on Sentences(ラン・オン・センテンス)とは、日本語でいうと「無終止文」のことです。
2つ以上の独立節(主語と動詞のある完全な文=S+V, S+V+Oなど)を間違ってつなげているケースを言います。ラン・オン・センテンスは大きくわけると、句読点の間違いの中に含まれます。
Run-on Sentencesには以下の3種類があります。
- 句読点を使っていない(英語ではfused sentencesと言う)
- カンマだけでつなげている (英語ではcomma splicesと言う)
- 接続副詞 (howeverなど)をカンマだけでつなげている
Run-on Sentencesは非文法的な表記であるとされています。このため、メールなどの日常的な英文を書くときはそこまで気にしなくてもいいですが、論文・レポートなどの正式な文章を書く場合や、英検・TOEIC・TOEFL・YELTSなどの資格試験を受験する場合は要注意です。
また、読み手にとってもかなり読みづらい文章になってしまうので避けたいですね。でも、修正方法はカンタン!安心してくださいね。
さっそく、具体的な例で見ていきましょう。
Run-on Sentences の間違い例① 句読点を使っていない
先ほどもお伝えした通り、Run-on Sentencesになってしまっている文章には3種類あります。
1つ目は、2つ以上の独立した英文を1つの文につなぐ場合に句読点も接続詞も何もつけていない、という間違いです。
この文章を日本語にすると「テレビゲームがとても好きです毎日でもプレーできます。」というようになってしまっています。日本語にすると変なのがすぐわかりますね。
Run-on Sentences の間違い例② カンマだけでつなげている
2つ目は、2つ以上の独立した英文を1つの文につなぐ場合に、カンマだけで区切ってしまっている間違いです。
この文章を日本語にするとこんな感じです。「テレビゲームがとても好きです、毎日でもプレーできます。」
ん、どこが間違ってるの?と思いませんでした?
1つ目の、「カンマも接続詞も何もない文章が間違い」というのはわかりやすいですよね。でも、2つ目の「カンマだけで区切るのも間違い」だというのは案外知らない方が多いようです。
上記の英文は2つの独立節(完全文)から成り立っています。
- I like playing video games very much. (S+V+O)
「わたしはビデオゲームをするのがとても好きです。」 - I can play them every day. (S+V+O)
「わたしはそれらを毎日でもプレーできます。」
英語では、このような独立した文章をそのままつなげたり、カンマだけでつなげるのは間違いだとされています。これは、完全文が3つであっても4つであっても同じです。
同じパターンの間違いの例をいくつか挙げてみます。
- The weather seems to be worsening we may have to call the hotel to cancel it. ()
- The weather seems to be worsening, we may have to call the hotel to cancel it. ()
「天候が悪化しているようなので、ホテルにキャンセルの電話をしなければならないかもしれません。」
- Global warming has a great impact on society we should consider how we can cut CO2 emissions. ()
- Global warming has a great impact on society, we should consider how we can cut CO2 emissions. ()
「地球温暖化は社会に大きな影響を与えるため、CO2排出量を削減する方法を検討する必要があります。」
2つ目のようにちょっと長い文章になると、かなり読みづらいことがわかりますね。
Run-on Sentences【修正方法】句読点なし/カンマのみの英文
では、この2つの文章の直し方を見ていきましょう。
Run-on Sentencesになってしまっている英文の直し方には、大きくわけて以下の3種類があります。
- 独立した文章に分ける
- カンマ (,)と接続詞(and, but, so, yet, or, nor)で分ける
- セミコロン (;)で分ける
修正方法① 独立した文章に分ける
修正方法の1つ目です。この文章は文章はもともと(S+V+O)なので、ピリオド (.)を入れることでそれぞれのセンテンスにわけてしまいます。
() I like playing video games very much, I can play them every day.
() I like playing video games very much. I can play them every day.
修正方法②カンマと等位接続詞(and, but, yetなど)で分ける
次に、カンマと「and, but, so」などの接続詞を挿入して修正する方法があります。すでにカンマだけでつながっている場合は、カンマの後に「and, but, so」などの接続詞を挿入します。
() I like playing video games very much, I can play them every day.
() I like playing video games very much, and I can play them every day.
この文章は、「テレビゲームをするのがとても好きなので、毎日でもプレーできます。」という意味なので、「and」や「so」を入れると自然で正しい英文になります。
修正方法③セミコロン (;)で分ける
次に、セミコロン (;)で分けるという方法もあります。
() I like playing video games very much, I can play them every day.
() I like playing video games very much; I can play them every day.
セミコロン (;)は、カンマよりはしっかりと文章を区切るときに使うので、接続詞の代わりとしても使えます。
セミコロンは文章を区切る上で、ピリオド (.)とカンマ (,)の中間だとイメージするといいです。
日本人だとセミコロンはあまり使う習慣がないかもしれませんが、2つの強い関係性のある英文をつなげる場合に使える便利な句読点です。
Run-on Sentencesの間違い例③ 接続副詞をカンマで接続している
次に、3つ目のRun-on Sentences(ラン・オン・センテンス)の間違いの例をご紹介します。
「テレビゲームをするのがとても好きなので、毎日でもプレーできます。」
これは、2つの独立した英文をカンマ (,)と接続副詞だけでつなぐという、よくやってしまいがちな間違いです。
これらの接続副詞をカンマだけでつないでいる文章は、英語の上級者でも気付かずに使ってしまっていることが多いので要注意です。
接続副詞ってどんなのがあるの?
接続副詞には「therefore, however, besides, also, moreover, then, nevertheless, otherwise, for example, thus,」などたくさんあります。
なるほど。でも、最初の例の修正方法で、カンマと「and, but, so」を使えばいいって言わなかったっけ?
その通りです!いい質問ですね。
「and, but, so」と「therefore, however, besides, also」などは接続詞なので似ているのですが、このような違いがあります。
等位接続詞:and, but, so, yet, for, or, nor
接続副詞:therefore, however, besides, also, moreover, then, nevertheless, otherwise, for example, thus, 他
「and, but, so」などの等位接続詞は文法的には接続詞ですが、「therefore, however, besides」などの接続副詞はあくまでも接続詞ではなく副詞の扱いとなります。
- カンマと「 and, but」のような等位接続詞をつなぐのは ()
- カンマと「howeverやtherefore」のような接続副詞をつなぐのは ()
同じパターンの間違いをいくつか挙げてみます。
- We cannot cancel the reservation, therefore, I will have to call him to explain. ()
- We can accept your offer, moreover, I think it is an excellent offer. ()
- Global warming has a great impact on society, thus, we should consider how we can cut CO2 emissions. ()
それではこのような間違いをどのように直すか見ていきましょう。
Run-on Sentences【修正方法】カンマ+接続副詞の英文
以下のRun-onセンテンスの文章を修正していきます。
「テレビゲームをするのがとても好きなので、毎日でもプレーできます。」
修正方法① 独立した文章に分ける
「therefore」などの接続副詞の入った文章の場合も、もともとは完全な文章がつなぎ合わさっているので、一番シンプルな方法はピリオドで区切ってしまうことです。
() I like playing video games very much. Therefore, I can play them every day.
これが一番シンプルな直し方です。
修正方法② カンマをセミコロンに変える
こちらもシンプルな修正方法です。カンマをセミコロンに変えてしまいます。
() I like playing video games very much; therefore, I can play them every day.
ただ、「andやso」のような等位接続詞の場合はセミコロンを使うことはできません。でも、どれが等位接続詞でどれが接続副詞なのかごっちゃになりがちですよね。
等位接続詞には覚え方があって「FANBOYS(楽しい男の子たち」と覚えるのがおススメです。この覚え方はいろいろな海外の文法サイトで紹介されています。
FANBOYS | 例文 |
For | She didn’t study yesterday, for she was tired. |
And | I will walk my dog, and I will take a shower. |
Nor | I didn’t want to swim, nor did my brother, either. |
But | He needs to exercise, but he is too lazy. |
Or | My mother tries to eat low-diet food, or she will gain weight. |
Yet | I have to leave soon, yet I haven’t prepared my luggage. |
So | My best friend is very kind, so everybody likes her. |
基本的に短めの接続詞を使っている場合は前にカンマ、それ以外の接続詞は前にセミコロンをつけると思っておけば覚えやすいです。
ここでおさらいです。
- 接続副詞の前にはセミコロン、後には必ずカンマ (,)が必要です。
- 等位接続詞の前にはセミコロンは使えません。
- コロン (:)もセミコロン (;)と同じように使えますが、コロンの場合はそれぞれのセンテンスが必ずイコール (=)の関係であるよう注意する必要があるため、あまりおすすめしません。
- ほかにダッシュ(―)でつなげる方法もありますが、基本的に最初の①~③の方法をおさえておけばよいでしょう。
【Run-On sentence】Grammarly(グラマリー)を使って簡単修正!
今話題の無料の英文校正ツール「Grammarly(グラマリー)」を使うと、このような英文の間違いを瞬時にチェックして修正することができます。
グラマリーの使い方はシンプルで、添削してもらいたい英文をGrammarlyのオンラインのページやアプリの中にコピペしたり、タイプするだけです。
修正方法も実にカンタン。指摘されたところにポップアップしている改善内容をクリックするだけで文章の校正ができるというすぐれものです。
早速、さきほどの文例をGrammarlyでチェックしてみましょう。
Grammarlyでチェック(間違い例① 句読点なし)
ちゃんとチェックが入って「ピリオドを使って文をわけましょう」という正解も出ていますね。グラマリーを使うと右側の修正候補のところをクリックするだけで修正ができてしまいます。
Grammarlyでチェック(間違い例② カンマのみ)
カンマだけの場合も、「セミコロンをつける」「等位接続詞をつける」「ピリオドで分ける」の3つの修正候補がちゃんと出ています。
Grammarlyでチェック(間違い例③ 接続副詞をカンマで接続している)
「ピリオドで分ける」「セミコロンをつける」という修正候補がちゃんと出ています。
このように、Grammarly画面に、間違いの英文を入力すると、Grammarlyの添削がスタートして瞬時にコメントが出ます。
Grammarly(グラマリー)を使うと、上の画像のように、一瞬で間違いを検出、正しい英文に修正することが出来るようになります。
自分がどんなところで間違いやすいのかを把握することで、英語力がものすごくアップするのでおススメです。
Grammarly公式ページ:https://www.grammarly.com
まとめ【Run-on Sentences (ラン・オン・センテンス)とは?】
この記事では、日本人だけでなく、ネイティブでも間違いやすいRun-on Sentencesについてくわしく解説しました。
「英語の完全文を句読点なし、カンマのみで接続、接続副詞をカンマだけで接続する」ような英文は、非文法的で非常によくする間違いです。
日ごろから自分の書いた文章がこのようになっていないかどうか、作成した後にチェックするくせをつけるといいですね。
先ほどお伝えしたGrammarly(グラマリー)は、基本的な機能は無料で使えるので、気になる方は試してみてはいかがでしょうか。無料会員登録にクレジットカード番号を入力する必要がないため安心です。
グラマリーについてもっと詳しく知りたい方、興味のある方はこちらの記事をご参考にしてくださいね。