【産業翻訳の専門分野の決め方】今後も需要のあるおすすめの分野は?

産業翻訳のおすすめの分野アイキャッチ英語関連
ミッキー
ミッキー

こんにちは。ミッキーです!
在宅や社内翻訳も含めて約15年間、いろいろな翻訳の仕事をしています。

語学が好きで勉強も好き、そして好きな場所で仕事がしたい、という方には翻訳は天職だと言えますね。

何歳で始めても遅いということはなく、逆に年齢を経ているほうがいろいろな知識があるため、40歳、50歳から翻訳者を目指す人もいます。

自分が希望する限り何歳まででも仕事ができるところも翻訳の仕事のメリットです。

将来的に産業翻訳者を目指しているけれど、どの分野を選んだらいいのかわからない。それぞれの分野の特徴や今後の需要を教えてほしい!

こんな質問をいただくことがあります。産業翻訳者になるには、まずは自分の目指す分野を決めて、英語の勉強と併せてその業界の知識を少しずつ身につけていくことがおススメ。

翻訳には大きくわけて技術系の文章を訳す「産業翻訳 (実務翻訳)」、小説を日本語にする「文芸翻訳」、そして映画やドラマを訳す「映像翻訳」があります。

わたしはいろいろな翻訳をしてきて、いまは主に産業翻訳の中の1つの分野である、工業翻訳をしています。

分野を決めるにあたってはその時々でだいぶ悩み、実際にどんな翻訳をするのか本を何冊も買ったりして、調べに調べて自分に合っている分野を探しました。

この記事では、産業翻訳者を目指すにあたりどんな分野があるのか、その分野の翻訳者になるための難易度、そしてその分野の将来性、収入について、長年の経験を基に詳しくお伝えしていきたいと思います。

この記事は、こんな方向けです。

  • 翻訳を志望していてどんな専門分野があるか知りたい。
  • すでに翻訳に携わっていて、ほかにどんな分野があるのか知りたい。
  • 翻訳の今後の需要や収入について知りたい。

こちらに翻訳関係の記事をまとめました

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産業翻訳 (実務翻訳)の特徴とは?

産業翻訳の特徴は?を示すアイキャッチ画像

まず、産業翻訳とはビジネス分野の翻訳を指します。実務翻訳工業翻訳技術翻訳ともいわれ、実務的な翻訳を行います。

近年のグローバル化によって、企業が生産活動を行う限り産業翻訳の需要はなくならない、と言われています。翻訳の分野の中でも一番ニーズが多く、実務翻訳の需要は実に90%以上となっています。

産業翻訳で需要のある言語は?

翻訳で需要のある言語を示すアイキャッチ画像

翻訳言語では、英語がグローバル企業の共通言語であるため、英語の需要が多くなっています。また、英語の場合はいまでも日英翻訳よりも英日翻訳の需要のほうが多くあります。

ただし、日英翻訳ができる翻訳者のほうがどうしても圧倒的に少ないため、日英翻訳ができる翻訳者に対する需要は常に多く、その分翻訳料金の単価も高くなっています。よって、日英翻訳が得意な人は日英翻訳者を目指すのもおすすめです。

英語に限らずいろいろな言語の翻訳のニーズがあります。分野にもよりますが中国語の場合、現時点では中日翻訳と日中翻訳のニーズは同じくらいだと言われています。

産業翻訳は専門性が高め

翻訳は専門性が高いことを示すアイキャッチ

産業翻訳のそれぞれの分野の内容は専門性が高く、翻訳者には翻訳の技術に加えて翻訳する分野の専門知識が求められる場合も多くあります。

理系出身だとかなり有利ですが、文系出身者も数多く活躍している分野です。文系出身者の場合は、英語力を活かし、専門知識を十分に調査して内容を理解することで翻訳が可能です。

このため、理系出身者は特定の専門分野の知識が求められる深いジャンルに従事することが多く、文系出身者はもう少し広く浅い分野を担当することが多くなっています。

また、1つの分野だけでなく複数の分野の翻訳をしなければならない場合があるのも特徴です。

わたしは部品メーカーで社内翻訳者として「機械、電気・電子、通信」などの翻訳に従事しています。

メーカーなので当然契約書の翻訳も発生しますし、特許関連の翻訳をすることもあります。医療機器用の部品を作るために医療関連の翻訳を頼まれるときもあります。また、ホームページの英訳や和訳もありますが、これはITマーケティング翻訳の分野です。

社内翻訳者は「いわゆるなんでもや」で、依頼に応じてなんでも幅広く翻訳する必要があります。ここが専門分野をある程度決めているフリーランスの方との違いと言えます。社内翻訳では頼まれたのに「できません」とは言えないのがつらいところです…。

産業翻訳者の収入はどのくらい?

翻訳は専門性が高いことを示すアイキャッチ

産業翻訳者の収入は実にさまざまで、翻訳者のレベルと雇用形態によって大きく異なります。

フリーランスでもパートでも契約社員でも、扶養範囲で働く場合は103万円以下に抑える必要があるので、当然月収は約8万円以下くらいです。

派遣社員の場合は、わたしの経験上、だいたい時給1600円~1900円くらいだと思います。よって時給X時間X稼働日数が月給になりますね。ネイティブレベルの英訳ができる場合は時給2000~2200円という募集も見たことがあります。

社内翻訳者の場合は、翻訳の難易度にもよると思いますが、年収300万円~700万円くらいではないでしょうか。大企業のほうが給与がよい傾向で、わたしのような中小企業に勤務している場合は安めです…もっとほしい(笑)。

一方、フリーランスではその人のスキルと専門性によって格差が大きく、月収数万円から年収2000万円くらいの人もいるといいます。フリーランスの場合はどの位仕事を受注するか、によっても収入が変わってきますね。

産業翻訳 (実務翻訳)にはどんな分野があるのか?

産業翻訳の6つの分野のインフォグラフィック-技術・工業、IT、金融、特許、医療、リーガル)

産業翻訳には大きくわけて以下の6つの分野があります。ほかにも細かくはいろいろあるのですが、ここではメジャーな6分野を取り上げて説明します。

下のリンクからも直接飛ぶようにしていますので、急いでいる方はどうぞ↓

それぞれの分野について詳しくご説明します。翻訳の難易度、収入、今後の需要については5つで評価しています。

技術翻訳・工業翻訳とは?

自動車産業の翻訳を示す画像

翻訳難易度:★★★★☆
収入:   ★★★☆☆
今後の需要:★★★☆☆

技術翻訳・工業翻訳の分野

自動車、電機・電子、情報・通信、半導体、機械、原子力、インフラ、環境、エネルギー、航空・軍事・宇宙など

技術翻訳・工業翻訳で翻訳する文書

図面、仕様書、規格書、製品のカタログ、取扱説明書・作業指示書のようなマニュアル、品質管理文書、技術論文、議事録、契約書、その他各種資料などの文書など

技術翻訳・工業翻訳の特徴

  • 産業翻訳の中で需要が一番多い。
  • 景気の影響をある程度受けやすい。
  • 内容は専門的で理系の知識があると有利。

技術翻訳・工業翻訳は実務翻訳の中でも一番需要の多い分野です。いわゆる技術英語、工業英語の翻訳を行うのがこのジャンルの翻訳です。

技術・工業翻訳にはさまざまな分野があります。ジャンルとしては、日本の基幹産業である自動車、日本の得意分野である電機・電子、情報・通信、半導体、機械、航空・軍事・宇宙、そして近年需要が増している原子力、インフラ、環境、エネルギー、などがあります。

ニッチな分野もあり、いろいろな分野が独立しているのではなく、横断して重なり合う場合もあるのが特徴です。よって一つの分野だけでなく、複数の分野をこなせる翻訳者が重宝されます。

自動車のような輸出産業が多いため、英日翻訳だけでなく日英翻訳も他の分野に比べると需要が多くなっています。翻訳の発注者としてはやはりメーカーが一番多く、その他政府機関や研究所などもあります。

技術用語が多用されるため、業界の知識が必須です。技術革新が急ピッチであるため最新の用語などの情報を定期的に入手する必要もあります。

グローバル化によって海外との取引、または海外展開により、さまざまな英語→日本語、日本語→英語の翻訳が発生します。大企業だけでなく中小企業であっても海外展開している場合も多く、さまざまな翻訳のニーズが生じてきます。

勤務形態としては、正社員としてメーカーのインハウス(社内翻訳)で勤務したり、派遣社員として雇用される場合も多く見受けられます。もちろんフリーランスの需要もあります。

社内翻訳の場合は、仕事をしながらon the jobで専門用語の勉強をしていくことができるのが大きな利点ですね。

技術翻訳・工業翻訳のおすすめの一冊

技術英語では「翻訳の布石と定石 実務翻訳プロへの道」がイチオシ!技術翻訳とは何か、というところから翻訳の手法まで細かく説明がありとても勉強になります。

技術翻訳・工業翻訳に向いている人

工学系専攻だった人、理系出身の人、メーカーに勤務していたなどバックグラウンドの知識がある人、最新知識を常に習得する向学心のある人、文系出身でも専門知識について調査力があり知識を習得する意欲のある人など

技術翻訳・工業翻訳の今後の需要

自動車や機械分野は以前よりも需要が若干下がったことから単価は下がっていて、高品質な翻訳を求められるケースが増えています。Tradosなどの翻訳支援ツールの使用を求められる場合もあり、より効率性が重視されています。

日本のメーカーの動向や日本のエコノミーによっても需要が左右されるため、需要は景気によって浮き沈みがあるのも特徴です。

IT、広告・マーケティング翻訳とは?

IT翻訳を示す画像

翻訳難易度:★★☆☆☆
収入:   ★★☆☆☆
今後の需要:★★★★★

IT、広告・マーケティング翻訳の分野

マニュアル、ローカライズ、マーケティングなど

IT、広告・マーケティング翻訳で翻訳する文書

マニュアル、ソフトウエアのローカライズ、企業のウェブサイト、企業のパンフレット・資料、ニュース、SNS・動画などのソーシャルメディアなど

IT、広告・マーケティング翻訳の特徴

  • マニュアル・ヘルプの翻訳需要は大幅縮小している。
  • マーケティング系の需要が拡大傾向。
  • 初心者でも比較的参入しやすい。

よく言われることですが、IT翻訳は1990年代にはコンピューターの開発によって数多くのマニュアルやヘルプの翻訳の需要がありました。

マニュアルなどは内容的にそこまで複雑でなくボリュームが多く、過去の文例を使用できるケースが多いため、次第にTradosなどの翻訳支援ツールを使った効率化が求められるようになりました。

これにつれて翻訳料金の単価も下がっていきました。また、需要が高かったことと比較的に難易度が高くないため初心者が参入しやすい分野であったことから、翻訳した成果物のレベルがあまり高くない、という問題もあったようです。

2000年代に入ると、IT翻訳のうちの花形だったマニュアルのマーケットが10%~20%までに縮小し、代わりに広告・マーケティング翻訳の需要が高まってきました。

これは、動画も含めたSNSの爆発的な普及によって、企業が海外向けに情報発信することが多くなったからです。日本企業が海外に発信したり海外企業が海外にしたりするため、英日翻訳・日英翻訳の両方の需要があります。

マーケティング翻訳にもいろいろなジャンルがあるのですが、ウェブサイトやSNSなどのソーシャルメディアに関係するものがIT系のマーケティング翻訳を指しています。

翻訳した文書は、企業の顔ともいえる重要な役割を担うため、高品質・高精度を要求するクライアントが多く、直訳でなく自然でわかりやすい文体に変換するなど、以前のマニュアルのときと違って高い翻訳スキルが求められます。

このような、読みやすく日本語としてこなれているマーケティング翻訳のことを、最近ではトランスクリエーション(transcreation)と呼ぶことが多くってきたようです。ますます翻訳者の日本語と英語のスキルが求められてくる時代になりましたね。

IT、広告・マーケティング翻訳のおすすめの一冊

おすすめの一冊は「現場で困らない!ITエンジニアのための英語リーディング」。この本はわたしは実際に読んだわけではないのですが、IT英語が勉強できる本として友達に評判が良かったのでご紹介します。

IT、広告・マーケティング翻訳に向いている人

理系出身の人、ITの専門知識のある人、最新知識を常に習得する向学心のある人、クライアントの伝えたい内容を的確にわかりやすく表現できる人など

IT、広告・マーケティング翻訳の今後の需要

インターネット、動画、SNSなどのソーシャルメディアの発展により、需要は右肩上がりに伸びています。

金融翻訳・財務翻訳とは?

金融翻訳・財務翻訳を示す画像

翻訳難易度:★★★★★
収入:   ★★★☆☆
今後の需要:★★★☆☆

金融翻訳・財務翻訳の分野

銀行、証券、保険など

金融翻訳・財務翻訳で翻訳する文書

年次報告書、財務書類、各種動向レポート、リサーチ、目論見書、IR、マーケットレポート、ファンドの資料、運用商品説明、契約書、などの投資家や機関投資家向けの文書

金融翻訳・財務翻訳の発注者

銀行、証券会社、保険会社、運用会社など

金融翻訳・財務翻訳の特徴

  • 景気の影響を受けやす需要いが常にはある。
  • 内容は専門的で金融系の知識が必須

世界経済にリーマン・ショックなどの危機が訪れると翻訳の需要が落ち込んだりしますが、金融機関はどんな状況でも機関投資家向けにはレポートを提出する必要があるため、常に一定の需要があります。

金融翻訳・財務翻訳で訳す文書は、機関投資家向けの株式、債券、マクロ経済などの金融レポートです。また、財務諸表や決算報告書などもあり、細かい数字も取り扱わなければなりません。

金融・財務の翻訳は、特に発注者が金融部門のスペシャリストや財務の担当者であることが多く、弁護士や会計士のような高い専門性を持っている担当者もいます。

このため、金融翻訳には高度な金融業界の専門知識が要求され、専門用語にも精通している必要があります。

また、投資家や機関投資家向けにタイムリーに情報を発信する必要があるため、翻訳する文書の質だけでなくスピードも要求されます。

よって、短納期や早朝・深夜の納品を求められる場合もあり、柔軟に対応できる翻訳者が重宝されます。

また、取り扱う文書の内容上、毎年NDA(秘密保持契約書)を更新する必要があるなど、情報漏洩を防止するためのセキュリティも厳しくなっており、ほかの分野以上に情報管理に留意しなければなりません。

専門知識が必要なため、業界経験者であれば有利ですが、もともと金融バックグラウンドのない未経験者でも翻訳者になっている人も多く、内容に抵抗がなくたゆまなく勉強していく強い意志があれば、金融翻訳者になれる可能性はあります。

わたしの友人も、金融の専門ではなかったのですが、業務の一環で金融系の翻訳を少ししたのをきっかけに興味を持ち、証券外務員1級の資格を取って金融翻訳者になりました。

金融翻訳・財務翻訳のおすすめの一冊

金融翻訳に興味のある方は「英語で学ぶ!金融ビジネスと金融証券市場」を読んでみてください。実際の現場でどのような表現が使われているかなど、翻訳をする場合でなくても役に立つ内容が載っています。

金融翻訳・財務翻訳に向いている人

銀行、証券会社、保険会社に勤務していた経験のある人、証券アナリストなどの金融系の資格を持っている人、会計や法務のバックグラウンドのある人、金融分野に興味があり日常的に関連分野の情報を読んでいる人など

金融翻訳・財務翻訳の今後の需要

世界の景気に左右されるものの、景気が悪化した場合でも常に一定の需要はあります。

特許翻訳・知的財産翻訳とは?

特許法や工業 所有権法の本が何冊も並んでいる画像

翻訳難易度:★★★★★
収入:   ★★★☆☆
今後の需要:★★★☆☆

特許翻訳・知的財産翻訳の分野

特許、知的財産

特許翻訳・知的財産翻訳で翻訳する文書

特許明細書、公報、補正書、意見書、優先権証明書、ライセンス契約書など

特許翻訳・知的財産翻訳の発注者

一般企業、弁護士事務所、特許事務所、翻訳会社、官公庁など

特許翻訳・知的財産翻訳の特徴

  • 以前よりも需要は下降気味
  • 特許・知的財産・法務の専門知識が必要

日本の企業や個人が海外で特許を取得する場合、逆に海外の企業や個人が日本で特許を取得する場合に必要な文書を翻訳します。よって、主に翻訳する文書は、特許出願時の出願明細書です。

特殊な文体や様式・書式を使用し専門用語を多用するため、特許分野の独自の文体・様式に周知している必要があります。

また、特許で取り扱う分野は幅広く、先ほどの技術・工業翻訳やIT、医療などの分野で取り上げられるような内容を訳さなければならないため、理系などの技術的な知識や理解力も必要です。

わたしはいまの仕事で、特許出願ではないのですが、先行技術を調べるために既に特許を取得している英文の特許明細書の和訳を依頼されることがあります。

やはり高いレベルの技術的な内容なのでかなり難しいですね。このため、今の会社に入社して特許明細書を訳す場合があるとわかってから、特許翻訳に関する本は数冊読んで勉強しました。

まあ、明細書の場合は文章だけでなく略図も記載されていますし、どうしてもわからないときは社内のエンジニアに聞いたりしてなんとか訳せています。明細書は確かに書式も独特です。

各国の知的財産権法などの法務文書を訳す場合もあるため、特許法などの法務分野の知識と翻訳スキルも要求されるなど、幅広い高度なスキルが必要な分野です。

このように、特許翻訳では、英語力、専門分野の知識、法務分野の知識を併せ持つ、一定レベル以上の熟練した翻訳者が求められるため、特許分野では翻訳の初心者は比較的少なくなっています。

このため翻訳料金の単価も高めで割合需要も安定しています。

特許翻訳は、特許の権利を取得できるかどうかがかかわってくる重要な責任のある仕事ですが、それだけやりがいもあるといえます。

特許翻訳・知的財産翻訳のおすすめの一冊

特許翻訳に興味のある方は、「特許翻訳完全ガイドブック (イカロス・ムック)」を読んでみてください。翻訳する特許文書の特徴、実際の訳し方、特許翻訳のスキルの身につけ方などが満載です。

特許翻訳・知的財産翻訳に向いている人

特許事務所や企業の特許・知的財産部門に勤務していた人、一定の語学力があり、自分が得意な技術分野のある人、特許・知的財産に興味があり学習意欲のある人など

特許翻訳・知的財産翻訳の今後の需要

グローバル化によって国際出願の件数は増えており、中でも医薬・化学系の分野は増えています。一方で電機や機械の分野の需要は少し減ってきています。

医療翻訳(メディカル翻訳)とは?

薬と注射器で医療を示している画像

翻訳難易度:★★★★★
収入:   ★★★★★
今後の需要:★★★★★

医療翻訳(メディカル翻訳)の分野

医学、薬学 (製薬)関連、医療機器、バイオ、再生医療など

医療翻訳(メディカル翻訳)で翻訳する文書

治験関連、新薬・医療機器の承認申請書類、試験報告書、症例報告書、学術論文、社内文書、医療機器関連など

医療翻訳(メディカル翻訳)の発注者

製薬会社、薬品メーカー、医療機器メーカー、研究機関、医療機関、バイオ科学・食品メーカーなど

医療翻訳(メディカル翻訳)の特徴

  • 景気に左右されず今後も需要が高く安定
  • 医学・薬学の専門知識が必須
  • 経験豊富な翻訳者が不足している
  • 医療機器分野の翻訳者が不足気味
  • 報酬は比較的高め

高齢化により日本や海外のメディカル市場は右肩上がりに伸びています。製薬や医療機器の業界のグローバル化の波に乗って、景気にかかわらず常に翻訳ニーズがあり安定しています。

医療機器は平成29年には約3兆円の市場になり、過去最大の市場規模に到達してています。医療機器の分野も日本国内でも数少ない成長市場であり、景気の影響を受けにくい安定市場だと言われています。

今後の需要が一番見込まれる分野といえます。ただし、人命にかかわる最新の医療の情報や基礎研究に関する翻訳のため責任も重く、取り扱う文書は非常に高度です。化学、生物などの知識が必要で高品質、高精度な翻訳が求められます。

このため、大学や大学院で医学、薬学、生物学、生化学などを専攻していた人が医療翻訳に参入するケースが多くなっています。

使用される単語も一般に使用されない特殊な単語や用語、言い回しが多く、訳文には一般用語ではなくそのような単語・用語を使用しなければなりません。簡単な例でいうと日本語の場合「眼医者」とはいわず「眼科」と言う、というような感じです。

医療機器は比較的に取り組みやすい分野です。機械やITの知識も必要なため、理系の技術・工業分野の翻訳者が担当する場合もあります。人材も不足しているため今後の狙い目といえます。

また、治験関連についても一定の書式を覚えれば参入することも可能だと言われています。

わたしは医療翻訳を目指そうかな、と思った時期がありましたので、医療翻訳についてはいろいろ調べました。というのも、年を取るにつれて人間の健康について興味がでてきたのと、やりがいもありそうだったからです。

でも、医療系はまったくバックグラウンドがないのと年齢的にも厳しいかな、と思い断念しました。

もし、自分がいま30代前半だったら医療系の会社に派遣社員や正社員として入って、業界の知識を学びながら医薬翻訳を目指していただろうな、と思います。

なぜいったん会社に勤めるのかというと、わたしは打たれ弱いので、独学や翻訳学校で勉強しただけで医薬翻訳者になるのは敷居が高そうだからです。

まだ若い方で興味がある方はぜひぜひ医療翻訳を目指してみてくださいね。

医療翻訳(メディカル翻訳)のおすすめの一冊

興味のある方は、一度「まずはこれから!医薬翻訳者のための英語」を読んでみてはいかがでしょうか。医薬翻訳者を目指す人のバイブルとなっている本です。

医学・薬学分野の翻訳で扱う文書に頻出する必要最低限の用語・表現がのっていて、医薬業界特有の英語がどんなものかがわかる入門書です。

医療翻訳(メディカル翻訳)に向いている人

大学や大学院で医学、薬学、生物学、生化学などを専攻していた人、医療従事者、医薬関連企業に勤務していた人、専門知識がなくても英語力が高く学習意欲が高い人

医療翻訳(メディカル翻訳)の今後の需要

翻訳の需要は安定しており、中でも医療機器の関連の翻訳はますます伸びています。今後はさらにバイオ関連や再生医療関連も増えていくものと見込まれています。

 

法律翻訳・契約書翻訳(リーガル翻訳)とは?

契約書と万年筆の画像

翻訳難易度:★★★★☆
収入:   ★★★★☆
今後の需要:★★★★★

法律翻訳・契約書翻訳の分野

法律・規則関連、契約書関連、訴訟関連など

法律翻訳・契約書翻訳で翻訳する文書

契約書、定款、社内規定、法律・法令、訴訟関連文書など

法律翻訳・契約書翻訳の発注者

一般企業、官公庁、弁護士事務所、会計事務所、特許事務所など

法律翻訳・契約書翻訳の特徴

  • 独特の文体で完全対訳を求められる。
  • 報酬は比較的高め。
  • 経験豊富な翻訳者が不足している。

法律・契約書翻訳の分野は契約書関連と法律・規則関連にわかれます。

企業が活動する限り必ず取引に関係する契約書が発生します。グローバル化によって海外の企業と日本の企業が契約を締結するケースがますます増えており、このため契約書の翻訳ニーズはますます伸びています。

契約書の場合は世界の共通言語である英語で締結するのが通常です。ほかの言語、例えば中国語で作成する場合でも英語の契約書も作るのが常識です。よって、他の分野よりも英語の翻訳者のニーズが圧倒的に高くなっています。

なかでも英訳の需要が非常に増えていますが、英訳のできる翻訳者が不足しているため熟練した翻訳者はひっぱりだこです。

訴訟などに関連する法律文書を翻訳するケースもあり、法律的な知識も必要になります。また、特有の言い回しや表現・用語を必ず使用しなければならないため、特有の言い回しの勉強をせずに翻訳することはできません。

一つのパラグラフが信じられないくらい長く複雑なため、複雑な構文を理解できる高い英語力が必要になってきます。

契約書の文体は日本語でも難しく眠くなるので、契約書の翻訳だけは「絶対にしたくない!」という人も結構いますよね。

わたしは契約書翻訳の勉強をした後に運よく大手メーカーに派遣社員として採用され、契約書の英日翻訳を2年ほどしていたことがあります。その関係で、法務部で英文契約書のチェックをする業務をしていたこともあります。

わたしも勉強を始めた当初は「契約書はどうも苦手」という感じだったのですが、慣れてくると逆にその硬い言葉遣いがかっこよくて(笑) 好きになっていきました。

実際の経験上、工業系の内容は文系出身者にはどうしても難解であるため、リーガルの分野は一番参入しやすい分野ではないかと個人的に思っています。

法律翻訳・契約書翻訳のおすすめの一冊

わたしはバベルの通信講座、そしていろいろな本を買って勉強しました。法律辞書、英米法辞典も買いましたし、会社法や六法も眠い目をこすりながら読んだりしました。

契約書はどんな内容を訳すのか興味がある方は、わたしがいろいろ勉強した中でダントツにおすすめの飯泉先生の「英文契約書の基礎知識」の本を読んでみてください!

この本は何度も何度も熟読して文章を覚えたりしましたが、難しい内容なのにわかりやすく説明されていて大好きな本です。

リーガルの翻訳を目指す方でなくても、契約書の翻訳ができると分野の幅が広がるので、契約書の勉強ができる本を一冊は読んで勉強することをおススメします。

法律翻訳・契約書翻訳に向いている人

文系出身者、法令用語や契約書の用語に抵抗がない人、英語力の高い人

法律翻訳・契約書翻訳の今後の需要

グローバル化によって中小企業でも自治体でもビジネスチャンスを求めて海外に進出する時代になりました。

海外の企業と取引する際には必ずNDA(秘密保持契約書)や売買契約書などの契約書を締結します。よって、この分野の需要は今後も安定して伸びていくものと見込まれます。

法律・契約書の翻訳については、こちらに詳しくまとめましたので、興味のある方は読んでみてくださいね。

法律・契約書分野の翻訳者を目指す方へ【メリット・デメリットも解説】
法律・契約書分野の翻訳は、専門性が高く需要の多い翻訳分野です。特に文系出身の方にはおすすめの分野だといえます。この記事では、翻訳する法律・契約書の文章の例、需要、収入、専門スクール、おすすめの本などを網羅して詳しく解説していきます。

 

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産業翻訳はAIに仕事を奪われるのか?

AIのイメージ画像

ここで、翻訳者として仕事をしている方、あるいはこれから翻訳者を目指して勉強をする方にとって心配なのが、翻訳という仕事の全般の将来的なニーズ。

最近よく聞くのが、AIがますます進化しており、機械では訳しにくい文芸翻訳はまだしも、機械翻訳で代替できる産業翻訳者は将来的に必要なくなるのではないか、という議論です。

特にこれから翻訳者を目指す方にとっては、産業翻訳に将来性があるかどうかは心配なところですよね。

たしかに、機械翻訳はニューラルネットワーク、ディープラーニング(深層学習)を利用したニューラル機械翻訳によって格段の進歩を遂げています。

一昔前はGoogle翻訳などはまったく使い物になりませんでした。最近Google翻訳を使ったことのない方は一度試してみてください。昔とは大違いでびっくりすること間違いなしです。

Google翻訳は、内容によっては結構正確に訳出してくれるので、わたしも大量の英日翻訳で時間に制約のあるときなどに活用しています。もちろん、そのまま訳が使えるわけではないので、チェックと校正はかかせませんが。

英訳のほうですが、日本語は主語を使わなくても成り立つのでこれを英訳するのは難しく、英訳は和訳ほどはまだ使えるレベルではありません。

いずれにしても、これからは間違いなく機械翻訳を活用してポストエディット(機械翻訳にかけたあと人間が校正する)を行い、効率的にスピーディーに翻訳をする時代になるとわたしは思っています。

ただし、機械翻訳が文脈を取って完璧に訳出できるのはまだまだ先の話ですし、近年のグローバル化によって、企業が生産活動を行う限り翻訳は必要となるため、翻訳自体の需要なくならない、と言われていますのでご安心ください。

話は戻りますが、産業翻訳は翻訳の需要の大半を占めるため、文芸・出版翻訳や映像翻訳と比べると、翻訳者としてデビューする機会が圧倒的に多く、これから翻訳者になろうとする方にとっては一番狙い目といえます。

わたしは小さいころから西洋文学が大好きで訳書をだいぶ読んでいたので、文芸・出版翻訳もあこがれたりはしたのですが、現実的に翻訳者になるにはニーズからいって産業翻訳だと思い、産業翻訳にターゲットを決めました。

産業翻訳の専門分野の決め方のまとめ

産業翻訳の専門分野のまとめのアイキャッチ画像

この記事では、翻訳を志望していてこれから専門分野を決めようとしている方、すでに翻訳に携わっていてほかにどんな分野があるのか知りたい方向けに、産業翻訳にはどんな専門分野があるのかをご説明しました。

「技術・工業翻訳」、「IT、広告・マーケティング翻訳」、「金融・財務翻訳」、「特許・知的財産翻訳」、「医療(メディカル)翻訳」、そして「法律・契約書翻訳」と、それぞれに特徴がありますね。

専門分野を決める前には、各分野の本を1冊読んでみて、自分に合っている分野なのか、また面白くてずっと興味を持ち続けられる分野なのかを確認しておくと安心です。

ミッキー
ミッキー

この記事が少しでもご参考になれば嬉しいです!

わたしの略歴と持っている資格

ミッキー
ミッキー
  • 社内翻訳の仕事に従事しています。翻訳歴は約15年です。
  • 工業・技術の文書、仕様書、規格、メール、契約書などを英語⇔日本語に翻訳しています。
  • 以前は英語学校で講師としてTOEFLなどを教えていました。
  • 持っている資格はTOEIC990点・英検1級・全国通訳案内士です。
  • 大学は英語学専攻で「定冠詞・冠詞」について卒論を書きました。

翻訳者になるためにわたしが勉強した方法については、こちらの記事に詳しく書いています。

英文のレベルを上げるなら、英語の校正ツール「Grammarly」で自分の間違いを確認するのがおすすめです。

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